テラーノベル
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あの日から特に変わってことはなく、
気づけば、ライブまであと数日。
衣装部屋はいつもより慌ただしくて、
スタッフの声と衣装ハンガーの音が入り混じってる。
岩本視点💛
俺は次の衣装のサイズ確認で呼ばれて、
ラックの前で立ったまま待ってた。
そこに——
💜「あ、俺も同じやつ確認するって言われた」
ふっかの声。
……普通に、声をかけられた。
しかし 視線が合わない。
💛「あ、そうなんだ」
それだけ返して、
それ以上何も言えなかった。
スタッフ「2人とも揃ってますね!じゃあ一緒に確認しちゃいますので、お二人とも着替え終わったら呼んでください」
狭めの衣装部屋に2人
肩がぶつかりそうなくらい近いのに、
ふっかは一歩、わざと距離を取る。
💛(……あ、やっぱ避けてる)
前なら
「ひかるこのサイズどう?」
「ちょっと見てー」
って当たり前に絡んできたのに。
今日は違う。
💜「んーーちょっと大きいかぁ」
静かに独り言を呟く程度
ふっかは俺が着終わったのを確認してスタッフを呼びに行こうと部屋の扉に手をかけた。
俺は反射的に、
腕を伸ばしかけて——
💛「ふっか」
呼んだ声、思ったより低く出た。
ふっかがびっくりしたように振り返る。
💜「なに、?」
その目が、
ほんの一瞬だけ揺れた気がして。
💛「黄色似合ってる」
たったそれだけ。
💜「……ありがと、ひかるも紫いいじゃん」
返してくれた言葉に胸が詰まる感覚を覚える
ふっかは、どこか逃げるみたいに また視線を外しスタッフを呼びに行った。
💛(俺、なにしたんだよ)
避けられてる理由も、
自分のこの感情の正体も、
まだ分からない。
ただ、
前みたいに隣に立てないことだけが、
やけに苦しかった。
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