「お疲れ様で~す!」
一呼吸置いて、楽屋のドアを開ける。
なるべく声を張り上げて、あいさつをする。
「うい。おつかれー。…って、心音かよ」
返事が返ってきたのは、犬猿の仲の人だった。
「げ。あっきぃいんじゃんッ、!」
「「ヤッチャイマースッ!!」」
楽屋にはあっきぃがいた。
座ってスマホをいじっていた。
( まさか、来てるのあっきぃだけ?)
( え?嘘でしょ?)
流石にそんなはずはないと思い、あたりを見渡す。
ところどころに荷物はあるので、他の人も来てはいるみたいだ
「他の人どこっすか?あっきぃだけ?」
「なんかねー、いつの間にかいなくなってた」
「そんなことあります…?笑」
「あるから、今こうなんだろ」
「もしかして、あっきぃ、みんなに嫌われてんじゃねぇっすか?w」
「はぁああ”ッ!??もっと嫌われてるお前に言われるの心外すぎるわぁ゙ッ!!」
「あァ゙ん”っ?今なんて言いましたかっ!?」
キレながら、なるべくあっきぃから離れた席に、荷物をおろす
帽子と上着も脱いで、ハンガーにかける。
すると、あっきぃがじっとこちらを見つめてくる。
視線に耐えられず、話しかける。
「…なんすか?なんかついてます?」
「…いや、ついてないけど。あのさ、もしかしたらよ?帽子、一緒かも。」
「え”、嘘だぁ。どこで買いましたか?」
あっきぃは思い出すためか、少し唸ったあと、俺が帽子を買った店の名前を挙げる。
俺もそこで買ったことを伝えると、あっきぃは不満そうに顔を歪めた。
「うわ~…なんで被るかねぇ」
「こっちのセリフだっての、最近買ったのに…」
「俺もお気に入りだったのに…最悪」
「「真似すんなよ!!」」
「…莉犬くん?控え室入んないんすか?かれこれ10分ぐらいドアの前で待ってますよ…?」
「あとちょっとだけ…お願い待ってて、らぴすくん……」
これで、もうこの会話は4回目。
「ええー?中に誰かいるし、入りましょうよ。俺もう座りたいっすって」
「もうちょっとだけ…お願い…待ってて、」
一向に動こうとしない莉犬くん。ドアに耳をぺたりとくっつけて部屋の中の人の会話を聞いているらしい。
「そんなに何を待ってるんすか、」
莉犬くんはこちらをチラリと見て、
「ここの2人を仲良くさせたいの…」
と、小声で耳打ちをされた。
「……誰ですか、その2人って」
俺も釣られて小声で言うと、
莉犬くんはゆっくりとその人たちの名前を口にする。
「…_____ ふーん、なるほど、笑」
「確かにそこは仲良くなってほしいっすね笑」
でしょ!と自信満々に言う莉犬くんは今日も可愛かった。
___このあと部屋からでてきた2人に 何をしているんだ と問い詰められたお話は、また今度。
コメント
2件
あきしおの会話も、莉犬くんラピスくんの会話も可愛すぎる…_:(´ཀ`」 ∠):