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「夜道に残る温度」
同棲済み
rd「 」
gt『』
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夜の空気は、家を出た瞬間に一気に肺の奥まで入り込んできた
はぁ、っと息を吐くと白く曇る。
『あ“~~、さっむ…』
ぐちつぼは肩をすくめる
コートの前を抑える仕草がいつもより少し大きい
その横で、らっだぁは何も言わず歩いていた。
冬の配信終わりは、いつもこんな感じだ
テンションの残り香と、静かな夜道。
さっきまで画面の向こうにいた人達の気配は、もうない
「…コンビニ寄る?」
『行く』
ただそれだけの会話。
でも、その「行く」が妙に近く聞こえた
歩幅が自然と揃う
吐く息が、夜の中で重なった
らっだぁはそれに気づいた瞬間、足を止めた。
「‥近くない? 」
冗談めいた声だった。
ぐちつぼはすぐに「ごめん」と言って一歩下がろうとした
けれども、一歩下がる前に袖を掴まれて引き寄せられた
『ちょっ、』
「寒いんでしょ」
その声は落ち着いていた
責めるでもなく、笑うでもない
『…別に』
「はいはい」
らっだぁはそう曖昧な返事をすると自分の手袋を片方外し、ぐちつぼに渡す
「使って」
『え、でもらっだぁの…』
「俺は平気だし」
そういって強引に渡す
手袋の中はまだ暖かかった
『‥なんで片方だけ?』
「両方やるとさ」
少し間が空く
「…離れる理由なくなるでしょ?」
ぐちつぼは何も言えなかった。
手袋の中で指がきゅっ、と縮こまる
また歩き出す
今度はさっきより距離が近い
コンビニの明かりが見えてきても、白い息は消えない
『…らっだぁ』
「ん?」
『俺、冬嫌いだったんだけどさ』
「急だね」
『…今年は、』
言葉を探して、ぐちつぼは空を見上げた。雲の切れ目に、薄く月が見える。
『…悪くないかも、』
らっだぁは、少しだけ驚いた顔をして
すぐに目を細めた
「…それ、俺のおかげ?」
『‥調子のんな、』
そういいながら、ぐちつぼは逃げなかった。いつの間にからっだぁのポケットに入っていたもう片方の手も、そのまま。
コンビニにはいる前、
2人の吐く息がまた重なる
冬は冷たい。
でも、そのあいだにある温度はーー
確かに、ここにあった。
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