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ー翌日ー
俺は鬱、コネシマ達と共にG国の西の少し離れた場外で待機していた。
ゾム(いよいよ今日や……)
空は快晴で、雲ひとつ見つからないキレイな青空をみせた。
ゾム(先生に会った日もこんな晴れてた気がする……)
ゾム(先生の顔が影で全然見えなくて、でも優しい声で俺を引っ張りだしてくれた)
ゾム(懐かしいな……)
ゾム(先生…絶対守ってみせるからな!)
ザザッ!(インカムが鳴る)
グルッペン「これより全面戦争を開始する」
グルッペン「総員突撃~~!!!」
皆「「「うおおお!!!」」」
グルッペンの合図で兵士達は一斉にG国へ侵入していく。
俺も向かってくる兵士達を倒しながら西のクワイ教会付近まで侵入した。
鬱先生「ゾム、お前1人で大丈夫なんか!?」
ゾム(先生……早く行かないとアイツに殺られてしまう……)
鬱先生「おい、ゾム!!」
鬱先生「…チッ、俺はゾムの監視の為に来たんや」
鬱先生「もう勝手についていくからな!」
鬱先生「シッマもついて行くか?」
コネシマ「……行く!」
俺は後ろで話しかける鬱の声に気づかず、どんどん先へ進んでいった。
ゾム(無事でいてくれ………!)
~クワイ教会前~
ゾム(ここや!)
ゾム(でも、中に入ったらアカンよな…)
ゾム(中にいる子供達を怖がらせてまう)
ゾム「………。」
ゾム(!)
俺がどうやって安否を確認するか、考えていると、敵軍の紋章をつけた兵士が目の前で教会に火をつけようとしていた。
ゾム「お前…っ!!」
ザシュ……!!
ゾム「……間に合った…」
ゾム(まずは周りの敵を倒してからやな)
敵「うおお!!」
ゾム「…ザシュ…!」
敵「うあああ……」
ザシュ…!ザシュ…!ザシュ…!…………
………………………
ゾム(……っ中々終わらんな)
ゾム(よく見たらG国の紋章じゃないやつもおる…)
ゾム「L国と同盟組んどったのか…」
ゾム(…これだけの人数おるんなら)
ゾム(今日国を攻められてもおかしくなかったな)
ゾム(先に仕掛けられて良かったわ…)
しばらくして、敵の死体で地面が埋め尽くされようとした時
奥から1人で走ってくる人がいた。
ゾム(ユタイズ!?)
向かってくるユタイズを警戒し、剣先を向ける。
ユタイズ「ゾム!やっぱりここにいた!」
ユタイズ「なに勝手に裏切ってるの!?」
ユタイズ「君のせいでお城の奴らも街の人も殺されたじゃん!」
ユタイズ「勝手な行動しないでよ!」
ユタイズ「それに、君の守りたい人はここにはいない」
ユタイズ「俺の城で幽閉してるからここを守っても意味がないよ!」
ユタイズ「早く城へ戻って」
ユタイズ「俺を守ってよ!」
ユタイズ「そしたら殺さないでいてあげるから!」
ユタイズは俺が言葉を紡ぐ隙もないほど早口でまくしたてる。
ゾム「……っ!」
俺はユタイズの言葉に動揺した。
ゾム(…先生を幽閉している!?)
ゾム(なら、早く助けないと!)
ゾム(でも、ここも先生が大事にしている場所やから守りたい。)
ゾム(…それに、こいつが幽閉したって嘘かも知らへん)
ゾム(どうしよう………)
ゾム(分からへん…俺はどうしたらいいんや!?)
–鬱先生視点–
俺とコネシマは部下をそれぞれの位置へ散らせてゾムの後ろをついていっていた。
鬱先生(全然気づかへんな……)
鬱先生(ゾムは何を考えとるんや?)
鬱先生(何か焦っているような……?)
鬱先生(コネシマもさっきから眉間にシワよっとるし)
鬱先生(こいつがゾムのこと他の人よりも警戒してるのは分かっとったけど…)
鬱先生(ん?)
鬱先生(ゾムが止まった……)
鬱先生(ここは…教会か?)
鬱先生(なんでこんな所で立ち止まったんや?)
鬱先生(もしかしてどっかの宗教の信者か!?)
鬱先生(……それにしても、教会を見て動かへんな)
鬱先生(何がしたいんや…)
鬱先生(あ!教会に火をつけようとしとる奴がおる…!)
ザシュ…!
ゾムの一振は敵の心臓を突き刺し、相手に反撃する余地もない速さだった。
鬱先生「エグ……」
その後もゾムは教会に近づく 敵を次々と倒し、辺りが死体で散乱していく。
鬱先生(グロいな……)
鬱先生(!)
鬱先生(何や急に?)
鬱先生(路地に剣先向けて…)
場にピンッと緊張が走る…
鬱先生(誰か来た!!)
鬱先生(…ゾムと話してる?)
鬱先生(やっぱりゾムはまだG国の味方なんか!)
鬱先生(…ん?)
鬱先生(なんや…ゾム)
鬱先生(なんで動揺し始めたんや…?)
ゾムは動揺しているものの、視線は逸らさず、目の前の人を警戒しているようだった。
鬱先生(…仲間やないんか?)
ダッ…!
ゾムと男の会話に気を取られていると、何かが勢いよく鬱の隣を通った。
鬱先生「コネシマ!?」
コネシマは一直線にゾム達の方へ走っていった
コネシマ「おらあぁ!!」
カキンッ!
コネシマはゾムと話していた男に飛びかかり、男はコネシマの攻撃を防いだ。
男はゾムに話しかけながらコネシマの攻撃を防いでいく。
カキンッ!カキンッ!カキンッ!……
鬱先生「シッマがおされてる…!」
鬱先生「俺も加勢するか!」
鬱先生「おらあぁ!!」
カキンッ!
ユタイズ「危ないっ…」
ユタイズ「ゾム、2人も潜ませてたの?」
ユタイズ「悪い子だねぇ~」
男は2人を相手にしながらまだゾムと話す
鬱先生(コイツ強ない…!?)
鬱先生(どうやったら倒せるんや!)
ゾムは困惑し、その場に立ち尽くしていた。
鬱先生(ゾムは男に危害加えても攻撃してこおへんし)
鬱先生(仲間やないんやったら加勢して欲しいな…)
コネシマ「ゾム!こいつはお前の仲間ちゃうんやろ!?」
コネシマ「今はコイツを倒せるチャンスや!!」
コネシマ「ゾム!俺らの仲間なんやったら、力を貸してくれ!!」
ゾム「!!」
ゾムはコネシマの言葉を受け、何か覚悟した顔で男に剣を向ける。
ユタイズ「ゾム!?」
ユタイズ「何考えてるの!?」
ユタイズ「今は戯れる時間じゃないよ」
ユタイズ「僕の方がコイツらより強いって分かるでしょ?」
ユタイズ「懸命な判断をしてよ」
ユタイズ「今は一緒にコイツらを倒そ?」
ゾム「………。」
ユタイズ「~~っ!アイツの居場所を知ってるのは俺だけだぞ!」(低音・大声)
ユタイズ「俺を倒したらもう居場所は突き止められんぞ!!」
ゾム「………。」
ザシュッ…
ユタイズ「グア”ッ…!」
ユタイズ「ゾムっ、貴様!!」
ザシュ…ザシュ……
ユタイズ「グア”あぁ……ッっ」
バタン…
ゾム「…………。」
ゾムが加勢してからの決着ははやく、
ゾムは男の死体を漁り始める。
鬱先生(あんなに強い奴やったのに)
コネシマ「……ゾム、お前何を探しとるんや?」
ゾム「……地下の鍵」
ゾムがまだ男の死体を漁っていると男が来た方向から何人かがこちらへ向かって走ってきた。
コネシマ「自軍の奴やな…」
鬱先生「何しに来たんや?」
部下「お二方!こちらへ男が向かって来ませんでしたか!?」
部下*「ゾムさん!」
部下*「すみません、1人取り逃してしまいました!」
ゾム「!」
ゾム「どこの家や?!」
ゾムは顔を上げ、部下を向く
部下* 「カンデレー家です!」
部下*「確か…白髪で、若そうな……」
部下*「ちょうどこの人みたいな…」
部下*はゾムが漁っていた男を指差す
ゾム「ならこいつで間違いない」
ゾム「カンデレー家は終わったのか?」
部下*「はい!」
部下*「他の屋敷も終わり、後は王族のみです!」
鬱先生「はやいな……!」
ゾム「…じゃあ、終わった所は何人か王族の暗殺を手伝え」
ゾム「他の複数名は他の幹部の護衛にはいるんや!」
部下「「はい!」」
部下達は返事と共に各地に散らばっていった。
ゾムは指示を終えると再度男の死体を漁り始めた。
鬱先生(ゾムは何者なんやろう……)
鬱先生(少なくともG国の味方ではない)
鬱先生(それに、あの力を持っていても俺らを襲わない…)
鬱先生(味方やって信じていいんか…)
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