絶体絶命の状態で、最後いふだけが捕まっていなかった。僕たちはどんどん増える異変物の腕の圧力に耐えていた。僕はいふに初めての命令をした。「いふ…!あいつにトドメを刺すんだ…!」いふはガラスの破片を持って全速力で異変物へ走っていった。その軽やかさはまるで旋律のようだった。皆、圧力に耐えながらもいふの事を見ていた。そしていふが遂に技を繰り出した。僕は心配で、心から祈るしかなかった。「…しゅうろく、」いふの周りに染みと揺れが始まった。早くしないと取り込まれてしまう。僕はなんとかして腕を上に出したかった。でも出なかった。「…だいいちのそう、」その瞬間、いふの周りに五線譜のようなものが出てきた。そしていふは目を見開いて、技の名前を初めて、はっきり、その口で叫んだ。「奏撃の糧繋ぎ!!」異変物といふを包む青白い光に僕たちは目を瞑った。最後、いふがこっちを向いたように見えた。きのせいかな…
次に見た光景は、真っ昼間の皆京郷だった。でも僕の周りの地面は凹んでいたため、戦っていた事実はあるようだ。僕はそんな事よりいふを探した。でもいふはもういなかった。全身が痛い中、周りを見渡すと、皆が地面に倒れていた。最後いふが居た場所に行くと、技による時空の捻れにより、あの頃の音が残っていた。僕はそれを聞いて、胸が痛くなった。
「かすみおにいちゃん。これまでありがとう。わたしはやるべきことをみつけたよ。わたしはまたじぶんのせかいにひつようとされたのかもしれないな。ほんとうにありがとう。いや、ありがとうございました。これまでおせわになりました。かすみおにいちゃんにまたあえたら、うれしいな。 」
僕は膝から崩れて、目に溜まる涙を拭った。近くのガラスの破片を見て、僕は今日も思いを背負って生きていく。感謝される為にするんじゃない。自分がしたいからやる。今日も彷徨い人を助け続ける。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!