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改めて元貴とCEREMONYの映像を見返すことになって、もしかしてと思った事がある。

隣で嬉しそうに映像を見て笑っている元貴は涼ちゃんを喜ばせる為にこんなショーをしようと思ったんじゃないかと。


「涼ちゃんのダンス最高···楽しそうだし、ずっとにこにこしてる、本当にして良かったよね」


確かにあの時の涼ちゃんは誰よりもあの舞台を楽しんでいた。

どの曲もどのグループの歌も全部大好き!と言った様子で終わったあとも興奮冷めやらぬ感じだった。


そしてそんな涼ちゃんを見て一番喜んでいたのは間違いなく元貴だ。


花が咲いたようなドレス、あの華やかなメイク。 どれも元貴が選んだもの。

大好きで愛おしい気持ちが溢れ出た表情で隠しもせず涼ちゃんを見つめる元貴を、幸せそうな涼ちゃんを俺はじっとりとした気持ちで見ていた。


なんでそれだけの愛を受けて涼ちゃんは何も気づいていないのかと。


気づかないフリでもしているのかと思ったけど、彼はどうやら本当に何の気もなく楽しみ、喜び、元貴の愛を受けて···ただ、それだけ。


いつもの笑顔で良かったねぇ、楽しかったねぇって笑うだけ。


いつだってそうだ。


あんなに愛されて大切にされているのに俺に、元貴と若井は本当に仲いいねって嫌味のように聞こえる言葉を心から言ってみたりする。


だから涼ちゃんのことを好きだけどたまにどうしようもない感情が溢れて元貴の前でわざと涼ちゃんとも仲いいじゃん、俺たち一緒に住んでたくらいだし大好きだよって言ってやったりすると、ありがとう僕も大好きって涼ちゃんは笑う。


その時の元貴の顔は強張って痛いところを突かれたような悲しそうな顔をして、あ、やっぱり元貴は涼ちゃんが好きなんだってわかって結局自分が苦しむ羽目になる。



俺なら元貴に愛された分だけ、いやそれ以上に愛を返してあげたいと思う。



だから俺のことを好きになってくれたらいいのに。


そう思いながらもそう言えないのは元貴が本当に幸せな顔をして涼ちゃんを見ているから。



「元貴って涼ちゃんの喜びそうなことばっかりしてる?」


「そうだよ」


隠すことも誤魔化すこともしないであっさりと認める元貴が少し嫌いになる。


「あっそう、そんなに好きなの?」


「うん、大好き」


あ、大嫌いになった、今。

思わず少し不貞腐れてそっぽ向く。


くくっと隣で、笑う声が聞こえたかと思うとがしっと肩を組まれる。



「俺は、若井の喜ぶことばっかりも、してるつもりだけど?大好きだから」


「······うん」



俺は今、きっと赤くなっている。

それがバレたくなくて元貴と目は、合わせない。

けど元貴はそんなのお見通しだというようにひひっと笑った。



これだから。


俺は元貴を


嫌いになれない。



だからもう少し涼ちゃんは鈍感なままでいて。


だからもう少し元貴は涼ちゃんに何も言わないで。


そうしたらまだ俺はこの恋を続けることが出来るから。



「元貴って俺のことも涼ちゃんのこともほんとに愛してるよね」


「当たり前でしょ、2人とも愛してるよ」



本当は気づいているけどまだもう少し涼ちゃんと同じくらい愛されていると勘違いしておく。



「···俺もだよ」



俺も元貴のこと愛してるよ。


だからもう少しこのままで。


この肩に回された温もりを感じたままでいさせてよ。







···CEREMONYの涼ちゃん可愛すぎぃ!

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