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「なあ聞きたいことあるんだけどさ」
放課後、教室で声をかける出水。
ナマエは俯いたまま、答えない。
「無理にじゃない。ただ……」と彼は少し距離を詰める。
「最近、なんか変な気がしてさ⸺」
『なにがわかるっていうの!?出水先輩には、どうせわかりっこない!!!』
突然、ナマエの声が震え、涙があふれる。
『みんなから愛されて!ずるい!!!』
『羨ましいよ…』
彼女は感情のままに叫んだあと、顔を覆って泣き崩れる。
出水はすぐにそっと背中を撫で、優しく声をかける。
「ごめん、そんなつもりじゃなかった。俺は、ナマエのことを知りたいだけだ」
「わかってほしいのに、わかってもらえないんだ……」
ナマエは嗚咽を漏らしながら言った。
出水はナマエの手を握り、しっかりと目を見て言う。
「俺はお前の味方だ。無理しなくていい。ずっと、そばにいるからな」
涙を拭いながら、ナマエは少しずつ呼吸を整える。
その姿を見て、出水は心の中で決意した。
(必ず、ナマエを守る)