テラーノベル
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???、はい、次の任務
ー
そういって紙を渡してる
ー
???、これ読んどけ
ー
─ターゲットはマフィアに所属の男
名は“こさめ”
依頼主は名乗らなかったけれど、
金の額を見た時点で俺は頷いてた
正直相手が誰であろうとも構わなかった
殺すだけ
それが俺の“いつも通りの仕事”
ー
暇72、可愛い声、女装が得意
人を騙して殺す……ね
写真だけじゃわかんないっつーの
ー
だから、視察しに
尾行 監視 観察
していたが奇妙だった
歩く場所、時間、誰とすれ違うか
すべてが“整いすぎてる”
まるでこっちの動きを先読みしてる
みたいな
─そんな錯覚がずっとまとわりついてた
ー
暇72、……なんでこんなに動きが
綺麗なんだよ
ー
こさめは何も持ってないような軽い
足取りで歩いていた
その背中を俺はビルの影からじっと
見つめる
……でも
その瞬間こさめがふと立ち止まりゆっくりと振り返った
俺の方じゃないけど、その笑みは
まるで俺の居場所を知ってるような
そんな笑顔だった
ー
こさめ視点
こさめ、(ねぇ……いつまで
ついてくるつもり?)
ー
ビルの窓に映った小さな影
視線の向け方、動き、距離感
こさめは完全に人の存在に気づいていた
ー
こさめ、すっちーと任務したいなーって
思ってたけど……これはこれで楽しいかも
ー
本当は気づいた時点でLANに報告すべきだ
それがルールで―
でも、そうしなかった
ー
こさめ、こさめに近づくってことは……
命要らないってことだよね、?
ー
くすっと笑って何も知らないふりを続ける
踊ってるのは、どっち
そんなこと、こさめ自身も気にしていない
首筋をなぞる夜風に
血の匂いが混じった気がした
そして─夜は深く静かに落ちていく
尾行者とターゲット 殺し屋と“狩るもの”
どちらが“上”なのか、まだ誰も知らない
けれど、この出会いが
過去を呼び起こし、すべてを巻き込む
“始まり”になることだけは、確かだった
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