テラーノベル
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夜の空気は、やけに冷たかった。その晩、いるまは珍しく眠れず、ソファでタバコをふかしていた。
ふと、スマホに着信。
「……あんたのとこの“おもちゃ”、顔が割れてんぞ」
無機質な男の声だった。
いるまの眉がわずかに動く。
🎼📢「誰にバレた?」
「……“浅間”だよ。三年前、おまえとやり合ったあの組の残党」
いるまの表情が一変した。
🎼📢「──ふざけんな」
「お前の“飼い猫”……あれ、いい顔してんな。お前がハマるわけだ」
通話を切った瞬間、スマホが握りつぶされそうになる。
三年前、自分が護れなかった少年。
組の抗争に巻き込まれ、命を落とした少年を思い出す。
同じ過ちを、繰り返すわけにはいかない。
⸻
深夜1時。
らんはベッドで眠っていたが、何かの気配で目を覚ました。
そっと部屋のドアを開けると、リビングの明かりが灯っている。
そこに立っていたのは、銃を手にしたいるまだった。
🎼🌸「……どうしたの」
🎼📢「外に出る。今すぐ準備して」
🎼🌸「……えっ」
🎼📢「お前の顔が、他の組にバレた。狙われる可能性がある」
その言葉を聞いて、らんの顔色が変わる。
🎼🌸「でも、どこに逃げるの?ここ以外、俺行くとこなんて――」
🎼📢「……俺が隠す。絶対に、お前だけは守る」
言い切ったその声に、迷いはなかった。
数分後、二人は車に乗り込み、郊外のとある別荘へと向かう。
山奥の古びたログハウス。
いるまの“最後の逃げ場”だった。
毛布をかぶったらんは、無言でカップを両手で包む。
🎼🌸「……ごめんね、俺のせいで」
🎼📢「ちげぇよ。……お前がここにいたから、俺はもう逃げないって決めた」
🎼🌸「……え?」
🎼📢「俺はずっと、自分のせいで人が死んだって思ってた。
また誰かを失うのが怖くて、誰にも本気になれなかった」
🎼📢「でも、お前が泣いた顔見て、思った。――もう絶対に奪わせねえって」
そのまま、ゆっくりと近づき、いるまはらんの手を握る。
🎼📢「守るって決めた。お前の全部を、俺が抱えていくって」
🎼🌸「……そんなの、俺……もう泣いちゃうじゃん……」
ぽろりと、らんの目から涙がこぼれる。
いるまはそれを、そっと親指で拭った。
🎼📢「泣くなよ。……な?」
🎼🌸「……いるまのこと、好きになっちゃいそう」
🎼📢「……“なりそう”じゃなくて、“もう好き”なんだろ」
らんは目を伏せて、小さく頷いた。
キスはまだしない。ただ、触れて、寄り添うだけ。
でもその夜、ふたりの心はたしかにひとつに繋がっていた。
「もう、誰にもお前を渡さない」
そう誓った声は、暗闇の中で強く響いていた。
コメント
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主様お疲れ様です✨️🩷くんを守る💜くんかっこよすぎます✨️続き楽しみです✨️無理しない程度に投稿頑張ってください