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母、マーヤを探し、アルファとウィーンは歩いていました。カサガサ、ガサカザと茂みが風がないのに音をたてます。そして、ハッハッという息遣いがいくつか聞こえます。それでも健気に歩き続けます。 ガサッ ガササッ
茂みが一層大きな音を一回たて、赤茶色と白の毛を持つ、犬のような動物が出てきました。その数二匹。ドールです。絶滅危惧種で、パックという群れを作って暮らします。このドールはパックを作ってマーヤの縄張りで暮らしており、今はメスの子ども四匹を産んでいます。オスのレハールとメスのトーチェ。二匹は目をキラキラしている目をギラつかせながら狩人の顔となり、にたにたしながら、アルファとウィーンに近づいていったのです。
マーヤは子どもたちの匂いを追ってそれがわかりました。途中でドールの匂いもあり、この二匹はとてもずる賢いと言われるドールです。マーヤはこの盗人に大事な初めての我が子を殺されたのです。子どもたちの匂いがそれを訴えています。ただただマーヤは立ち尽くしていました。それしかできなかったのです。
子どもを失ってからというもの、マーヤはどことなく元気がありませんでした。狩りのときはいつものマーヤですが、狩りが終わった瞬間どんよりするようになってしまいました。そんなことが続きましたが、ある日、またマーヤの王国にオスが訪れました。名前はベルンヅ。マーヤより、ほんのちょっぴり大きいオスです。きりりとしていて、いわゆるイケメンです。マーヤはベルンヅと再婚しました。
そしてマーヤは妊娠し、子どもを産みました今度は三匹です。オス二匹、メス一匹です。名前は、ルゲール、シェーン、ルーン。マーヤは前回の失敗で、更に用心深くなりました。狩りに出かけるときは、匂いをできる限り消したりとしました。だからか、子どもたちは誰にも襲われず、ぐんぐん成長しています。末っ子のメス、ルーンが途中で病死しましたが、兄二人は病気もかからず、無事成長。もうすぐで親離れです。親離れが済めば、マーヤは一段落です。
しかし、また、避けれぬ災が、ひたひたと歩み寄ってくるのです。