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朝
体が寒くて目が覚めた
布団から出ていた腕が冷たい
時計に目を向けるともう昼前
隣では寝息を立てて眠るロウさんがいる
もうこんな時間なのにまだ寝てる
俺は布団から出ると、その布団をロウさんの肩まで掛けてから静かに障子を開ける
廊下ではご飯を貰えず、不貞腐れてるオトモが俺の足元に擦り寄って来た
「お前のご主人様はまだ寝てるぞ。おいで、ご飯あげるから」
「にゃう‥‥」
俺の顔を見て一鳴きするとロウさん覗く元へテクテクと歩いて行った
「こら、起こすなよ」
「にゃーっ‥‥なぅ‥‥」
オトモがロウさんの顔の周りをうろちょろして体を擦り寄せる
「‥‥‥‥ん」
「にゃう」
「起こすなって言ったろ?」
「‥‥北見」
「おはようございますロウさん。俺先にご飯の用意してますけど、起きれますか?」
「‥‥‥‥まだ眠い」
「近頃寝不足だったから‥‥起きたら食べに来てくださいね」
「‥‥‥‥ん」
俺はオトモを片手に寝床を後にした
まず先にオトモにご飯あげないとか
「お前はどの缶詰が好みなんだ?‥‥こっちか‥‥‥‥こっち?」
「なーぅ!」
オトモにご飯をあげ、自分の分のご飯を用意する
とりあえずロウさんの分は取り分けてしまっておこう
昼も過ぎて俺は部屋の片付けをしていた
確かに要らないものが多すぎる
その中には依頼されて邪を祓ったものの、やっぱり家には置きたくないと返されてしまうものもあった
その物から邪を取ってしまえばただの物なのに
少し片付いた部屋
でもまだ居間や寝床に置いてある物がある
この際だから全部片付けよう
俺は寝室に向かうと障子を開けた
「ロウさん‥‥まだ寝てる?」
「‥‥‥‥ん‥‥起きる」
ようやく体を起こし瞼を擦る
それでもまだ眠そうだった
「今何時だ?」
「4時になる所です」
「‥‥寝過ぎか」
「目が腐りますよ」
「もう腐ってる‥‥体も痛いし」
「‥‥それは俺のせいかも」
「そのせいじゃねーか!俺疲れてんの!」
ロウさんが枕を俺に目掛けて投げてくる
が、威力及ばず足元にポスンと落ちて行く
「やめて下さいよ、ロウさん。俺今やっと自分の物片付けてるんですから」
「やっとかよ‥‥全部持ってけよ」
「ロウさんって本当に部屋に物、置きたがらないですね」
「俺はシンプルが好きなんだよ。それなのに端から荷物増やしやがって」
「だから今片付けてるでしょ?俺続きやっちゃいますけどロウさんご飯は?」
「俺先に風呂入ってくるわ。頭スッキリさせたいし」
「了解です!俺も片付けたら先に風呂に入ろっと」
俺は最後の荷物をまとめ、離れに向かう
先に片付けておいた場所にとりあえず置く
あ、またとりあえず置いてしまった
これだから片付かないんだよな
でも今日はこれで良しとしよう
鍵を手に取り、戸締りをする
俺は急いで家の中に戻った
俺の部屋からカタンと音がする
それに気付かず俺は能天気に晩御飯のことなんか考えていた
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