テラーノベル
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自覚した瞬間
帰り道。
結局いつものように六人に囲まれていた。
「奏音、寒くない?」
奏歌がマフラーを整える。
「荷物持つ」
塁が自然に鞄を取る。
「車来てる」
桜梨がさりげなく肩を引く。
「腹減ってない?」
佳亮が肉まんを差し出す。
「ありがと……」
太陽はそんな奏音を見て笑った。
「ほんと姫じゃん」
「姫!?」
「六人に甘やかされてるし」
「そ、それはみんなが勝手に……!」
すると隣を歩いていた那月がぽつりと言う。
「甘やかしたいから」
また心臓が跳ねる。
「っ……」
奏音は思わず那月を見る。
目が合った。
優しい目。
でもそれだけじゃない。
独占したいみたいな熱がある。
その瞬間、奏音は気づいてしまった。
(……私、那月のこと好きなんだ)
気づいた途端、顔が熱くなる。
隣にいるだけで緊張する。
さっきの言葉を思い出すだけで苦しい。
「奏音?」
那月が覗き込む。
「顔真っ赤」
「み、見ないで!!」
奏音は勢いよく顔を隠した。
すると太陽が怪しそうに目を細める。
「……なんかあった?」
「ない!!」
「絶対ある」
六人の視線が集まる。
奏音は逃げるように前を向いた。
――絶対バレたくない。
だって、好きって自覚したばっかりだから
コメント
1件
わあ、ついに来たね……!第30話でこの自覚シーンは完璧なタイミングだった。那月の「甘やかしたいから」の台詞がクリーンヒットすぎて、読んでるこっちも心臓跳ねたよ。六人に囲まれて甘やかされる日常の中で、たった一人に対する感情が“特別”に変わっていく瞬間がすごく丁寧に描かれてた。奏音が顔を隠して「見ないで!」って慌てるところ、初めての恋する乙女って感じで可愛すぎる。次が気になる……!