「素敵な彼氏からご褒美をもらって当然よね、今週あなたはものすごく頑張ったんですもの 」
「本当に鈴ちゃんは頑張り屋さんですからね~」
私が褒めてもらって柚彦君は嬉しかったのだろう彼は楽しそうに彼女と世間話を始めた、もちろん私はちっとも楽しくはなかった
「もっとも」
榊原さんが続ける
「素敵なボーイフレンドから忠告をうけると彼女も治ると思うんだけど、この人ったらお店のパソコンで出会い系のサイトを見るのを止めてって言っても止めてくれなくてね」
そう言って柚彦君にウィンクした
――彼の前でなんて嘘を―――
私は思わず首まで赤くカッとなった
でもこの一瞬で考えた、ここで怒りをあらわにしたら、柚彦君に見苦しい姿を見せることになる、そうなると彼女の思うツボだ
私はホホホホと口に手を当てて笑った
「またまたそんな口からデマかせを・・・この人の悪い癖なのよ~ 」
さりげなく言い返す
「あら!デマかせなんかじゃないわ、さっき通りかかったら、デスクのパソコンの画面を慌てて隠したじゃない、あれは絶対出会い系だったわ 」
彼女も笑いながら柚彦君に話す
「ハイハイ!店長の冗談もこれきりにしてくださいよ、あとで観覧履歴をお見せしますから本部に発注リストを送っていただけですよ、それじゃ!柚彦君!ポポをよろしくね 」
なんとか怒りを抑えながら、私もその場を取り繕った
「うん!それじゃ、鈴ちゃん後で 」
柚彦君がのんきに答える、きっと彼にはこの女同士の笑いながら火花が
飛び散っているのは死んでもわからないだろう
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