彼がいなくなっても私たちはじっと
にらみ合っていた
先に口を開いたのは彼女だった
「あなた達同棲しているの?」
「観覧履歴見ます?」
私は怒りが抑えられなかった
彼女はフイッとそっぽを向いた
「それはもういいわ
コーヒーマシンを洗浄してくれる? 」
「今朝いつもどおり洗浄しましたけど 」
「悪いけどもう一度やり直して
コーヒーの味がおかしいのよ 」
「コーヒーマシンセンターに電話しましょう
マニュアルには一日に洗浄は一度でいいと
教えられていますよ」
ここで彼女は眉をくいっと上げた
「あなたって本当にめんどくさがりなのね
マシンの洗浄ぐらい何回やってもいいでしょうに」
私は無邪気を装って軽く笑って言った
「ですからマニュアルには
一日一回と書かれていますよ
ちゃんとやっているのだから
センターに電話してうちの店長が味がおかしいと
言ってるのでマシンを調べてほしいと電話しますね」
1歩も譲らないという意思で彼女の顔をみつめる
中身がここまで腐っているのに
本当にこの人って美人なのよね・・・
ハッキリとした顔立ちにヘアスタイルは
帽子をかぶってはみ出た髪も
魅力的に見えるようにきっちりセットされている
世の中不公平だなと思った
ここは引いた方が良さそうだと考えた
彼女がフイに態度をやわらげて
まるで姉のように親しそうに話してくる
「どうやらコーヒーの味は私の勘違いだったみたいだわ
もう洗浄しなくてもいいわ 」
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