「フリーザ様!メイズが目を覚ましました!」
「分かりました、すぐに向かいます」
フリーザは少々混乱していた。メイズを初任務に送り出したのは良いが、まさか保護しようとしていたギニュー特戦隊に逆に保護されて帰って来るとは思わなかったからだ。
ギニュー特戦隊によって保護されたメイズを見たフリーザは、その負傷の酷さに驚愕した。そして同時に沸き上がる「自分は本当に欠陥のない兵士を生み出せたのか」という疑念。
震えながら体を起こそうとするメイズだったが、明らかに無理があると瞬時に察したギニューが体を支えた。
「にしてもここまでやられるとは驚きましたよ…。」
「申し訳、ございません…。」
「まあ今回は初めての任務でしたから、良いでしょう。ただし、次の任務までにしっかりと修行をするんですよ」
メイズは眉を下げて俯いていた。フリーザに貢献することができなかったためだ。
そんなメイズを他所に、ギニューは恐る恐る口を開いた。
「あの、フリーザ様…。」
「なんでしょう」
「その、彼女は一体なんなのですか…?新人かと思いましたが、そうなると我々が遂行するはずだった任務に救援としてやって来たことについて違和感が残ります」
「そうですね…。言ってしまうと、彼女は私の手で生み出した人造兵士です」
「じ、人造、兵士…。」
聞き馴染みのない言葉に困惑するギニュー。フリーザが水面下でそのようなことをしていたとは全く知らなかった彼は、ただただ驚くばかりだった。
フリーザはメイズの基本情報については隠すつもりがなかったのか、メイズを生み出した経緯について端的に説明した。
「なるほど、フリーザ軍の発展のために…彼女を…。」
「ええ、ですが…まだまだアップデートが必要なようですね。初期段階ですから仕方ないでしょう。メイズさんは後ほどラボに来るように」
「分かりました…。」
フリーザはその場から立ち去ったが、メイズの表情はどこか暗かった。そんなメイズの顔を見たギニューは少し不思議に思った。
初めてメイズの姿を見た時、彼女からは感情のようなものは何も感じられなかった。しかし、今のメイズからは明確な「罪悪感」を感じる。明確に感情を感じさせた。
…自分たちと出会ってからここまでの短い時間に一体何があったのだろう。
人造兵士というどこか冷たい響きをしたイレギュラーな存在に、ギニューは興味を覚えていた。
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