居場所
高校一年生、春。色々あったけれど、私は吹奏楽を続けたいことを理由に、私立高校に推薦での入学を果たした。元々有名な高校だったこともあり、憧れていた高校に入学できたのは純粋に嬉しかった。新しい制服、新しい環境。新しい友達、新しい通学路。何もかもが新品で輝いて見えた。
吹奏楽部での活動は順調だった。先輩は優しかったし、同輩とも仲良くなれた。上手くやっていける。私の居場所はここだと、そう思っていた。
崩壊
高校一年生、夏。連休明け、初めて席替えをした。仲の良かった子と離れ、話したことの無い人ばかりが周りにいた。私は一人だった。
お昼休みは一人でコンビニで買ったパンやおにぎりをたべていた。お弁当と水筒を作って持たせてくれる母親などいない。週に一度、千円か五百円を渡されるだけだった。嫌だった。私はお昼休みをトイレで過ごし、ご飯など食べない高校生活を送っていた。グループワークや友達と相談し合う授業が苦痛だった。私の高校生活が音を立てずに崩れていったのは、多分そこからだろう。華のJK、キラキラJK。そんな人たちに憧れていた。なれる保証など無いのに。
苦痛
秋になると、部活をサボることが増えた。そもそも学校を欠席していた。高校は好きだった。けれど教室でひとり死んでいるように生きる私に居場所などないと思わせるのは簡単だった。
_どうして、こうなってしまったのか。
きっと答えは自分のせいだと思う。まわりがどう。人が、環境が。そんなのは関係なくて、結局は自分が全ての元凶だと。そう思っていた。教室にいることが、教室に向かうことが。ただただ辛くて苦しかった。誰にも相談できなかった。相談したところで何も変わらないと。変えてはくれないと知っていたから。
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