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『 雪降る世界に真紅の華を 』
ー 雪解け ー
2025年 1月14日
AM 8 : 07
スノードロップかぁ、
あなたの死を望みます
だったかな
小学生の頃、学校までの道に咲いてたっけ
氷が溶けるのをずっと待ってるみたいに
毎日少しずつ姿を変える花を見ていた。
懐かしい記憶に線を引くみたいに
真っ白い雪の様な花の入った花瓶をなぞる
「 ねぇ 、岡本 」
「 一宮…なんだよ 」
「 なんでスノードロップ置いたの?」
「 スノードロップ 、?」
「 この花のこと 」
不自然にぽつりと一つ空いた 白咲雪乃の机
そこに置かれた花瓶に視線を向ける
「 岡本達が置いたんでしょ? 」
「 …家の前にあったんだよ 」
「 家に前にあった…?」
「 家の塀の隅に立てかけてあったんだよ 」
人の机の上に花の入った花瓶を置いておいて
全く悪びれる様子もなく答える
「 ふーん… 」
「 …なんなんだよ急に」
「 ふふっ笑、別に 」
氷のように張り詰めた空気
彼女が笑えば春が来たみたいに緩んで
少しずつ形を取り戻していく。
白咲雪乃の事がある中で
彼女がどうして笑ったのかなんて
誰にも気にする余裕は無かった。
氷を溶かしてくれる彼女に理由を追求する必要はなかった。