アーサーside
「菊ー入るんだぞー」
「お、お邪魔します、」
「まてまてまてまて!」
必死になりながら体を大の字にして2人の足を止めた。「なんでお前らがここにいるんだよ!?」さっきと同じセリフを問いかける。
「だって、今日菊も休みでアーサーも帰って来ないだなんて……、怪しすぎるんだぞ」
こいつの野生の勘は本当に厄介だ。マシューに救いの眼差しを向けるが、「アルがどうしてもって言うから……」と申し訳なさそうな顔で答えられた。
「っ、はあぁ」
「あ、あの、アルフレッドさん、?」
「菊!」
アルフレッドは俺を押しのけて菊の元へ駆け寄った。
「菊、体調は大丈夫なのかい?アーサーには何にもされてないよね?」
「は、はい…」
「お前なぁ…」
まったく..アイツ(あいやー)といいコイツ(HAHA☆)といい……。俺をどんな目で見てんだか。
呆れたような顔をした俺を心配してくれたのか、マシューは俺の肩をポンポンと叩いて慰めてくれた。俺の拠り所はマシューと菊だけだよ……。
「あ、貴方が菊さん……?」
「ええ、そうですが…マシューさんでよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。それにしても随分かわいい顔だね」
「ちょっと、ナンパなんてらしくないね」
「え!?いや、ナンパなんてしてないよ!」
顔を赤くしながらマシューは首を横に振った。なぜか本田も顔が赤くなっており、むっとしてしまう自分の小ささを自覚させられる。
「あ、そういえばアーサー。君のことだから夕飯なんて作れないだろうと思って……作り置きしてた夕飯持ってきたんだ!皆で食べよ!」
マシューは、辛辣な一言を俺に放ちながら、両手に持ったエコバッグを笑顔でアーサーに見せた。なぜか負けた気になり、俺も負けじと自分の手料理を3人に見せる。
「な、俺だって夕飯ぐらい作れる……さっきだって…ほら!ハンバーグだって作ったんだ、」
が、さっきまで上手く出来たと思っていたハンバーグも、マシューの料理と比べると、とても美味しそうなどと言えたものでは無かった。
「なんだいこれ?炭かい?」
毎度のことながら、アルフレッドは容赦ない言葉を槍を投げるかのように俺に向けた。赤面し、無口になりながら下を向いた俺に、マシューは「気にしなくていいよ」と。菊も「今度は一緒にハンバーグ作りましょうね」と俺を励ましてくれた。天使か何かか?
「ほら、アーサーのハンバーグはまた今度作り直すとして……菊さんキッチン借りてもいい?」
「いいですが…その状態で使えますか…?」
「片付けには慣れてるカラ……」
ぶつぶつと喋るマシューをそっとしておき、夕飯の準備を手伝った(食器)
本田side
「菊ー入るんだぞー」
「お、お邪魔します、」
いきなりのことで頭が追いつかなかった。私の代わりになるように、「まてまてまてまて!」と必死になりながら、アーサーさんが2人の足を止めた。
「なんでお前らがここにいるんだよ!?」
「だって、今日菊も休みでアーサーも帰って来ないだなんて……、怪しすぎるんだぞ」
「アルがどうしてもって言うから……」
まさか、この方とアルフレッドさんはアーサーさんの兄弟なのですか!?聞きたかったが、その言葉を発する前にアルフレッドさんと目が合う。こっちに気付いたのだろう。駆け足であたしの元に駆け寄った。
「菊、体調は大丈夫なのかい?アーサーには何にもされてないよね?」
「は、はい…」
「お前なぁ…」
呆れたようなアーサーさんに、アルフレッドさんと似たような人が肩を叩きながら慰めていた。なんだか妙に最近心がモヤモヤして落ち着かない。風邪の前兆から現在進行系なのだろうか。私は心の中で強引に解決させた。
「あ、君が菊さん……?」
ジロジロ見すぎたのでしょうか、その人と目が合い、名前を聞かれた。
「ええ、そうですが…マシューさんでよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。それにしても随分かわいい顔だね」
やっぱりアルフレッドさんと似てますね。絶対そうです。この天然たらしっぷり!見た目から2人とは違って、落ち着いた子だと思っていたが、急にナンパのような褒め言葉を言われ、顔が熱くなった。
「ちょっと、ナンパなんてらしくないね」
「え!?いや、ナンパなんてしてないよ!」
やっぱりこの方も天然たらしですね……。
「あ、そういえばアーサー。君のことだから夕飯なんて作れないだろうと思って……作り置きしてた夕飯持ってきたんだ!皆で食べよ!」
マシューさんは、辛辣な一言をアーサーさんに放ちながら、両手に持ったエコバッグを笑顔でアーサーさんに見せた。
その辛辣な言葉に反応したのだろうか。アーサーさんも「な、俺だって夕飯ぐらい作れる……さっきだって…ほら!ハンバーグだって作ったんだ、」と口を開き、さっきまで作っていた料理を指差した。
だが、指を差された料理は、生憎お世辞でも美味しそうと言えたものではなかった。
「なんだいこれ?炭かい?」
アルフレッドさんが追い打ちをかけるかのようにアーサーさんに聞く。やめてください!もうアーサーさんのライフはゼロですっ!
「気にしなくていいよ」
「今度は一緒にハンバーグ作りましょうね」
赤面し、無口になりながら下を向いたアーサーさんを慰めるかのように、マシューさんと協力しながら彼を本調子へと戻した。
「ほら、アーサーのハンバーグはまた今度作り直すとして……菊さんキッチン借りてもいい?」
「いいですが…その状態で使えますか…?」
正直、キッチンに入った時は驚いた。凄い音が聞こえていたから、それなりに覚悟はしていたものの、想像を絶する荒らさに一周回ってなんかの才能なんじゃないかと思っていたところだ。
「片付けには慣れてるカラ……」そうぶつぶつと喋るマシューさんの日常生活はすぐ察せれた。
なんせあのアルフレッドさんとアーサーさんと一緒に暮らしているのだ。考えただけで大変な生活を送っているのだろうと分かった。
マシューさんをそっとしておき、夕飯の準備を手伝う2人を眺めていた。
コメント
3件
マジで続き欲しいです!!!! フォローもしますのでお願いします!!!!
アーサー.....また炭を.....怒られそう〜怖
マシューくんの褒め…とうと(( 早めに見れて嬉しいなり