テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第15話 〚近づく危険〛
それは、ほんの小さな異変から始まった。
澪の下駄箱に入っていた、
誰も書いていないメモ。
――「今日も、見てる」
クラスで囁かれる、
「白雪の周り、最近変じゃない?」という声。
そして、
放送委員室の前に落ちていた、
澪しか知らないはずの栞。
澪は、はっきりと分かった。
(……近づいてきてる)
海翔とえまたちは、すぐに動いた。
担任に相談し、
学校側も事態を重く見始める。
下校指導の強化。
先生の巡回。
保護者への連絡。
校内は、静かにざわついた。
けれど――
誰も、恒一に辿り着けなかった。
西園寺恒一は、
成績優秀。
生活態度も良好。
教師からの信頼も厚い。
「まさか、あの西園寺が?」
その一言で、
疑いはすぐに消えていく。
恒一は、何も残さない。
指紋も、証拠も、痕跡も。
防犯カメラの死角。
人の流れに紛れる時間帯。
偶然を装った位置取り。
――全部、計算されていた。
(……騒がしくなってきたな)
廊下の端で、
恒一は静かに状況を見ていた。
(でも、疑われない)
(俺は、優等生だから)
一方、澪は。
強くなろうとしていた。
えま・しおり・みさとと一緒に帰り、
海翔が必ず視界に入る場所にいる。
それでも、
背中に走る寒気は、消えない。
その夜。
澪の予知が、また走った。
――校門の外。
――誰もいない帰り道。
――伸びる影。
澪は、息を詰めた。
(……まだ、終わらない)
学校が動いても、
恒一は、止まらない。
そして澪は、悟る。
これはもう、
「静かに見守る」段階ではない。
決定的な一線が、
すぐそこまで迫っていることを。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!