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1000万サルド⁈あいつ…いやアグニスはいったいなんなんだ⁈何者なんだ⁈一見普通に騎士育成所から逃げて来た劣進病のやつかと思ったら1000万⁈
おれはとても驚きメリアと話しているアグニスの耳元で
「おい、一体お前は何者なんだ?アグニス」
と俺が問いかけるとアグニスは顔色を変えて
「…ちょっとこっち来て」
アグニスは俺の腕を引っ張って
「メリアちゃん!ちょっとそこで待ってて」
「え、ええ。わかったわ」
アグニスは俺を人気のない路地裏に引っ張っていき
俺を壁に追い詰め俯いたままで
「俺のこと…そんなに知りたい?」
と俺に聞いて来た。俺はコクコクと頷く
するとアグニスは顔をあげ、少し困ったような顔で
「そっかぁ。ま、いずれ教えようと思ってたし、いっか。僕にそんなにお金がかけられてるのはね。僕が未来を見ることができるからだよ。」
「え。」
アグニスは驚いている俺を置いて、話を続ける
「僕、騎士育成所から逃げて来たって言ったじゃん?あれ嘘なんだぁ。」
「え、じゃあどこから?」
「僕、くらぁいくらぁい地下に閉じ込められてたんだ〜。そこで毎日毎日この王国の未来を聞かれた。でも、僕は人の未来を見るのは得意だけど、抽象的な「王国の未来」ってのは意図して見ることはできないんだ。そのことを伝えても嘘をつくなと言われ信じてもらえず、喋らないならと拷問をされた。可哀想でしょ?僕。」
「……」
俺は何も答えられずにいた。こんなにも明るいやつがこんな過去を持っていたのかと。
「王国は手放したくないんだよ僕を。こんな未来を見れるやつが他国の手に渡ってしまったら、それこそお終いだからね。まぁこんなにも必死なのは僕が一度未来を見て話しちゃったからなんだけどね。偶然見えたんだよね〜未来。」
「……」
「……暗い話おしまい!ねぇもう戻ろ?メリアが待ってるよ。」
「…そうだな。」
メリアがいた広場に戻る。すると、メリアが1人の男に押さえつけられていた。
俺はすぐに駆け寄り
「メリア!」
と俺が叫ぶとメリアは俺に気づき泣きそうな顔で
「兄さん!」
「お、やっぱこの女指名手配犯の仲間だったんだな。おっと、アグニスくんもいるじゃーん?」
と男が言うと
アグニスは笑顔で
「その子を離してくれないかな?カイ」
と言った。だが、その笑顔の裏にはとてつもない怒りが潜んでいるような感じがした。
「誰が呼び捨てしていいっていったのかなっ⁈」
と言いながらカイはメリアの腹を蹴る
「ぅぐっ⁈」
メリアは痛みに悶えている
カイはメリアの髪を引っ張り
「アグニスくぅん。この子…そんなに大事?」
「お前、俺の妹を!」
と俺が剣を抜こうとした瞬間アグニスが俺を手で止めた。
「フレーク。君はカイに勝てない。」
俺はアグニスの言葉にまるで俺は妹を助けることもできない、弱いやつと言われているようで少し怒りを感じ、
「何でだよ!」
と俺はアグニスに強く言ってしまった。
「よく考えてみろ。あの銃の達人のメリアが何もできていない。銃を抜く前にカイに見つかり捕まっている。…だから、ここは俺がどうにかする。」
「なぁ、アグニスくん〜。ちょっと取引しない?俺ぇ別に他2人はいらないんだよねぇ。アグニスくんだけ手に入れれば良い訳。だからさ、この子達返して指名手配書消してあげるから。あのくらぁいくらぁい地下室に俺と一緒に戻ろ?ね?もしぃもしもぉ、この取り引き呑まなかったらぁ」
とカイはメリア頭に銃を突きつけた。
「バンッ!だよ?」
何だこいつ!俺はアグニスに
「だめだ!呑むな!何かもっといい考えが」
と俺が言い終わらないうちにアグニスが
「わかった。呑もう」
え…嘘だろそんな。
「そうこなくちゃなぁあ?」
とカイは言い、メリアをこちらに投げ飛ばし、アグニスに手錠をかけ連れて行こうとした。
アグニスはこちらを見ずに
「ありがとう。楽しかった。またいつか会えるといいね。メリアちゃん。本気で愛してたよ。ごめん。」
と言った後アグニスは連れて行かれてしまった。
「そん…な…」
メリアは号泣している。
「くそ!俺が…俺がもっと強ければ! 」
俺は悔やんだ。そして絶望した自分の弱さと、敵の強さに。俺は決意した。もっともっと強くなって、いつか絶対にアグニスを助けだすと。