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静まり返った牢屋の中、飛梅は鎖に繋がれて動かず、床を見つめていた。目は開いているが、その視線は虚ろで、どこか遠くを見ているようだった。黒髪のボブが顔の半分を覆い、表情は一切読み取れない。彼女はまるで、自分の存在すらも意識していないかのように、ただ黙って時間が過ぎるのを待っていた。
その時、足音が響いてきた。軽やかな音が、牢屋の中で反響する。
「おーい、飛梅ちゃん。」
夜神の声は優しく、どこか楽しそうだった。彼は牢屋の前で立ち止まり、しばらく飛梅を見つめる。飛梅はその声にも反応せず、目を合わせることはなかった。
夜神は少しの間、その静かな姿を楽しむように見守った後、微笑みながら言った。「なんも喋んないの? それとも、俺に興味ないのかな?」
鉄格子越しに夜神は、飛梅に近づくことなく、少しの距離を保ちながら言葉を続けた。「ま、こういう子には余計に興味が湧いちゃうんだよな。」
飛梅は無反応で、ただ黙っている。夜神はその冷たい態度に、逆にますます興味を持ち、彼女を見守り続けた。
「まあ、無理に話す必要はないか。でも、次に会ったときは、少しは俺に話しかけてくれよ。」
夜神は最後に軽く笑みを浮かべ、そのまま牢屋を離れていった。彼は振り返ることなく、そのまま音もなく去って行った。
飛梅は何も変わらず、静かにその場に座り続け、ただ時が過ぎるのを待った。