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Ogt/嫉妬
今日は会社の飲み会で、尾形には九時頃に帰ると連絡してしまった。
焦りと不安が混じり合い、上手く考えをまとめられない。何故ならば九時ではなく今は十一時。あと一時間も過ぎてしまえばそれこそピンチだ。なんせ浮気を疑われてしまうかもしれないから。
いや、今でも充分に疑われているだろうが…──そんな不安な考えをぐるぐると渦巻かせながらも、(なまえ)は急いで自宅へと帰還。
「た、だいま?」
恐る恐る小さく呟く(なまえ)は、バレないようこっそりと寝室に戻ろうと玄関の電気をつけた。
「…やべぇ、でも、もう寝てるだ──」
「何がやばいんだ?」
ほっと安心したのも束の間。眠っていると思っていた尾形はリビングに通じている扉に背を預け佇んでいる。
これは夢か?夢だと信じたいが、これは夢では無く現実だ。
目前の尾形は笑顔でこちらを見つめているのだが…頬には青筋が浮かび上がっていて、いつもの尾形ではない──これはかなりまずいことになった。
「いやぁ…ごめんごめん。ちょっと寝ちゃって…」
「誰と寝たんだ?」
「え、?誰って…?」
誰とも寝てはいない。寝るはずがない。こんなにもイケメンな彼氏がいて、他の男に目移りするわけがない。
「誰かと寝たから、こんな時間まで帰ってこなかったんじゃないのか?」
怒りの籠った眼差しに、心臓が飛び出てしまいそうだ。
「違うって!ほんとに、飲んでたらいつの間にか寝ててさ…それで──」
「ははぁっ、どうかな。その淫乱な体で、誘惑でもしたんじゃないのか?」
手首を強く掴まれ、抵抗するものの、酒が回っていて上手く力が入らず、そのまま寝室のダブルベッドに放り投げられてしまった。
「ほ、ほんとに違──」
言い訳だとでも思ったのだろう。乱暴な口付けで口を噤むされる。
「門限を過ぎたんだ。お仕置しないとな」