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「……と、言っても……、どうすべきか……」
俺は早速壁にぶち当たっていた。
この部屋は氷に覆われてて簡単には出られない。と言うか、出る勇気がまだ無い。
俺が触れたものは全て氷漬けになる。
「困ったな……」
部屋のど真ん中に立ち、腕を組んでみる。
が、なんのアイデアも思い浮かばない。
食事は、夕方だしもう、兄貴が持ち去っているだろうな。
何となく、目の前にあったドアに触れてみる。
「冷っ」
俺は反射的に手を引いた。
こんなもの、触れられる程の温度なんかじゃない。
体温が低い俺でも、指先が凍るかと思った。
ドアに張り付いた氷に写る俺の顔は、目の下に濃い隈をつけて苦笑いを浮かべていた。
ドアの反対側にある窓にまた視線を向ける。
暦で見てみれば、そろそろ暖かくなってもいい時期だったはずだ。
なのに、庭にはまだ雪が溶け残っている。