自己満意味不
気づいたら3000文字以上長いです
赤愛され
ギャンブラーな両親に全てを諦めていた。
怒らせないように、空気を読んで、もう空気のように消えたいと願い続けるばかりだった。
誰にも気づかれないように、消えたかった。
学校でも両親のせいで先生や生徒は俺に関わらないようにしていた。
俺もその方が楽だったから、それで良かった。
友達なんて、悩みを話せる人なんて誰も要らない。
そんなの必要ない。
どうせ、死ぬんだから。
数日後、インターホンが家中に鳴り響いた。
両親は全く動かず、鋭い目つきで俺を見てきた。
お前が出てこい。とそう言われているような目で俺は重い足取りで玄関へと向かった。
案の定、黒いスーツ姿の男が来ていつものように言葉を並べて追い払おうとした。
が、流石にもう効かないらしい。
両親の代わりに罵声を浴びせられて、明日までに返さないと無理矢理にでも金を返させると言って帰って行った。
そのことを2人に伝えると、俺の胸ぐらを掴んだ。
また殴られるのだろうか。
そう思っていたが、鞄を投げつけられ気味の悪い笑みを浮かべて身体でも売って稼いでこいと言ってきた。
俺はそういうのを知らなかったから、その時は臓器でも売ればいいのかと思った。
家から追い出され、暗い夜道を歩いた。
薄暗い灯りの下で公園のベンチに座った。
たまたまポケットに入っていたカッターを取り出してお腹に当てた。
臓器を取り出せば、もう苦しまなくて済む。
それにあの2人も少しはお金を得られるだろう。
そう思うとさらに手に力を込めることが出来た。
あともう少し、早く楽になりたい。
血がぼたぼたと垂れ流れたとき、誰かに止められた
)何してんだっ″、!
若い男の人だった。
必死に俺のお腹に来ていたスーツを押し当てて止血していた。
)苦しいかもだけど我慢しろ、手当してやるから
少し苦しかったが、俺のお腹にそれを縛った。
俺を抱き抱えて彼は誰かに電話をして走ってどこかに向かっていた。
何故か、その人の匂いに落ち着いて気付かぬうちに意識を失っていた。
目を覚ますと、視界が真っ白だった。
死ねたのかな、なんて思ったが、すぐに違うとわかった。
さっきの男の人がいたから、それに白衣姿。
なんだ医者だったのか、通りで手際がいいんだ。
)目覚めたか
赤)はぃ、
俺が起きるまで傍で待っていてくれたらしい
軽く伸びをしてカーテンを開けた。
随分長く眠っていたのか、窓の外は明るかった。
)昨日のこと覚えているか?
赤)昨日…
もちろん覚えているが、どこからどこまで話していいのか分からず、黙ってしまった。
)…どうしてあんな遅い時間にあそこにいたんだ?
赤)…ぇっと、
全部話してもいいのだろうか、そしたらあの人たちはどうなる。俺はどうなる…?
)お前が寝てる間に、色々見させてもらった。
カッターで切りつけた跡、それに打撲も
)もしかしてだが…
赤)これはっ、その、
)話せない理由でもあるのか…?
赤)…っ、こく
お兄さんは話さない俺を叱ることなく、俯いた俺の頭を優しく撫でてくれた。
温かくて優しくて、涙が溢れそうになった。
)知らない奴にそんなべらべらと話したくないよな、怖いもんな
そうだ、まずはお互いのことを知ってからにしよう。
桃)俺はさとみ、お前は?
赤)りいぬ、です…
そこから好きなものや、お互いの趣味を話した。
偶然にも好きなものなどが似ていた俺とさとみさんは最初の時よりも話せるようになった。
桃)腹減ってない?りいぬの好きなの買ってきてやるよ
赤)いい、の、?
桃)もちろん、てか一緒に行く?
赤)ぅん、!
ベットから降りると、さとみさんはすぐに俺の手を掴んでくれた。
ずっとこの手を掴んで欲しい、帰りたくないな。
売店まで歩いていると、こちらの方に少し小走りしながら近づいてくる人がいた。
誰だろうか、
)ちょっとさとみくん、!!
桃)んちょ、なな声でかいっ、!
)家に帰ってこないなら連絡してって…!あれ、その子は、?
桃)その…昨日保護した子、りいぬこの人は俺の兄ちゃんのなーくん
紫)りいぬ…くん?初めまして!
赤)初めましてっ、
桃)ねぇ、なな後でちょっと話ある
紫)うん、わかった
ななもりさんもすごく温かくて優しくかった。
売店で俺の好きないちごみるくやお菓子など買って貰えて、ななもりさんが栄養のあるやつも!と言ってお弁当を買ってくれた。
残してしまったけど、お腹いっぱい食べて眠気に襲われた。
でも2人の会話が少し耳に入った。
桃)ねぇ、この子さ虐待されているみたいなんだ。
紫)それはりいぬくんからちゃんと聞いたの?
桃)まだ…でも身体に傷があって
紫)さとみくんはその子を保護したいの?
桃)…うん、
紫)詳しいことはちゃんとりいぬくんの口から聞きたい。それに証拠がないとこっちも動けない。
勝手に保護したら、俺たちは誘拐になっちゃうからさ。
あと、あの子たちがちゃんとりいぬくんと仲良くなれるかどうか。
赤)はな、しますっ、
桃)りいぬ、?!起きてたのか…?
赤)さっき起きて…聞こえちゃって…
どうしよう話さないと?話さないと、また戻らないと、離れたくない嫌だ、怖い苦しい、
紫)無理に話さなくても大丈夫だよ、?
赤)でもっ、それじゃぁ…
紫)…大丈夫だよ、りいぬくん。
俺たち見捨てたりしない、最後までりいぬくんの傍にいるから、ね?
その一言で安心してしまった。
今まで留めていたものが外れたように、俺は赤ちゃんのように泣き喚いてしまった。
そんな醜態を晒しても2人は優しく抱き締めてくれた。
落ち着いてから、今までのことをゆっくり詳しく2人に話した。
赤)…それで、あの日、臓器を売ればいいのかと思って、お腹にカッター当ててたの…っ
桃)まぁ、体を売るってそっちの意味にもなるけど…でも別の意味の方知らなくて良かったかもな…
赤)へ、?
紫)まぁまぁ、どっちも身体に傷を得るものだから、
桃)りいぬの家教えて?お前のこと助けるために
その後、ななもりさんが2人と話してきて、あの2人は捕まった。
あんなところに居るよりも刑務所にいた方がいいのだろう。
俺もあの人たちの顔を見なくて済む。
桃)りいぬ俺たちと来るか?
赤)行きたいっ、!
桃)うしっ、行くか!
ななもりさんとさとみさんと今日からずっと一緒…嬉しいな。
紫)賑やかになりそうだね、
桃)あと3人弟がいるんだけど、りいぬいい子だしあいつらもいい子だからすぐに受け入れてくれるよ
赤)弟いるの…?
青)兄ちゃんおかえり!
橙)おかえり、!
黄)あ~!さとにぃやっと帰ってきた!
桃)ごめんなぁ、ただいま!
俺だけの優しさじゃなかった。俺だけの温もりじゃなかった。
目の前で本当の兄弟と抱き合っている姿は俺にしてくれた時よりも温かく見えた。
あれが本物なのだと証明させられたようだ。
紫)りいぬくん?おいで
赤)はぃ、
留めていたものがまた戻ってきたようだった。
青)ん、だぁれあの子…?
黄)目左右違う…?
橙)かっこいい~、!
赤)んぇ、ぁ、ぅ、ぇっと
桃)そんな焦らなくて大丈夫だよ、笑
赤)りいぬ…ですっ、今日からお世話になります…
紫)今日から一緒に暮らすんだよ、みんな仲良くしてね
黄)は~い!僕るぅとだよ!
青)僕ころん!
橙)じぇる!よろしくな!
赤)よ、ろしく…
さとみくんのお家にやってきて数日経った頃
2人がよく喧嘩をするようになった。
黄)りいぬ一緒に遊ぼ!
青)りいぬくん僕と遊ぼ!
黄)僕昨日から約束してたもん、
青)でも昨日も遊んでたじゃん!ずるいよ!
赤)えっと、2人とも喧嘩しちゃ…
橙)すとぉ~ぷ!!
そして決まってじぇるくんが止めに入る。
話し合いの結果、先にころちゃんと遊ぶことになり、泣いてしまったるぅちゃんをじぇるくんが必死になだめていた。
上2人が仕事で居ない中、じぇるくんが一番のお兄さんになるからすごく頼もしい。
けど、あまり迷惑をかけないようにしなければ
赤)じぇるくん、俺も手伝うよ、
橙)ん~ん、大丈夫やで!それにるぅちゃんが遊びたそうに見てるよ、笑
黄)りいぬぅ~…
赤)いいの…?
橙)うん!
力尽きた‼️
コメント
2件
桃くんと紫~くんの温かい天使のような優しさで包み込む感じ素敵すぎるし、赤くんの取り合いしてる青くんと黄くん可愛すぎるし、お兄ちゃんしてる頼もしい橙くん偉すぎるし、めっちゃ良い作品でしたー!律さんの赤くん愛され好きすぎます🥹💕みんな個性ありまくりなのに1つにまとまってるの律さん毎度天才すぎます!まだぎこちない赤くんだけどこの後みんなと幸せになってほしいなぁ
はーーなにこれちょうすきなんですけど😞😞 ほんとに律さん才能ありすぎじゃないですか?? 天才すぎます👊👊