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5分だけの真実
「5分だけ、時間をちょうだい」
彼にお願いをして、彼との最後の5分間が終わった。
「これでちゃんと、さよならできる」
そう言ったものの涙は止まらない。
だってまだ、
好きなんだもん。
でもしょうがない、私のお母さんは大きな病気にかかっている。
だから、東京にある大きな病院に行き治しに行く。
だから、最後に5分だけ彼といた。
けど、なんで?なんでこんなに悲しいの?
お母さんを失くす方が悲しい、だから彼と別れることなんて悲しくもなんともない。
そう思っていた。
なのに、最後の5分間彼が私に最後の最後まで笑って、優しくしてくれた。
だから、悲しくなった。
改札の前で1度だけ振り返り最後に見た彼の顔は心なしか少し迷っているような顔をしていた。
多分追いかけるべきなのか迷っていたのだろう
。
でも結局こっちには来なかった。
そして改札の前から離れる時彼に口だけを動かして伝えた、
――5分だけ、好きだった。
彼に伝わっているかは分からない、でも最終的にはどっちでもいいどうせ忘れられてしまう、そう思った。
電車に乗りこみ手を振った。
振り返してくれた。
ただ嬉しかった。
彼がいた駅のホームが見えなくなった。
そしてまた、自然と涙が出てきた。
急いで服の袖で涙を拭った。
電車の中、不思議と静かで自分しかいない感覚。
そのとき、フッとスマートフォンの電源を入れる。
午後5時20分。
そして、メッセージ。
開くと、
『6分前まで好きだった』
午後5時18分 2分前
「なんで」
その言葉を吐き捨ててスマートフォンの電源を切った。
彼がどんな気持ちでこれを送ってきたのかは分からない。
でもただ、「5分だけ、時間をちょうだい」と言った時に戻りたかった。
#長編
結愛
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きょう
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コメント
4件
うわあ……「5分だけ、時間をちょうだい」ってお願いしたのに、彼から届いた「6分前まで好きだった」が切なすぎる。時間感覚が微妙にずれてるのが、逆に二人の想いの大きさを物語ってる気がするよ。最後の最後まで彼が優しかったから余計に悲しくなる、その感情の動きがすごく共感できた。続きが気になる!