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啓次郎は女性から渡されたユニフォームを来た。そのユニフォームは真っ白で襟だけ黒い袖無しシャツを着て、その上に水色の首元がV字になっている半袖を着る。そのV字のところからは赤いネクタイが顔を出している。その水色のユニフォームの後ろには「64」とかかれていた。
「ところでこの数字の意味って?」
「令和の中でここへ何人目に来たかという数字です」
「じゃあ俺は64番目ってことですか?」
「ええ」
啓次郎は履いているズボンが気になった。なぜなら、先程まで着ていたものと同じだからだ。
「そういえばズボンって…」
「動きやすければいいですよ。そのままで」
啓次郎は「じゃあ」といいズボンは履き替えなかった。
「そういえば私、名刺を渡しますね」
そう言うと、櫻井は啓次郎に緑色の名刺を渡し、「スタッフオンリー」へと入っていった。
啓次郎はそれにともなり、中央センターを出た。相変わらず外は宇宙空間のようで幾数個の白や赤、黄色、青白い色の星が輝いている。そして建物は薄水色に輝いている。
すると、「オーイ!ナガシマケイジロウ!」と啓次郎の懐に入っていたコスモスピーカーから声がした。
「イキグルシイ!イレルナ!」と怒鳴りつけた。
「ごめんね」
無感情に啓次郎は謝りながらもコスモスピーカーにとある質問した。
「これからどうすればいい?」
「コレカラ?ジャアオマエハブキヤヘイケ。ソコデジュウヲカウトイイ。ボクノオススメダ」
「銃?」
「アア。ジュウダ。ミナミクノナ」
「わかった。そこにいけばいいんだね?」
スピーカーの割に口が悪いなと思いながらも啓次郎は南区にある武器屋へと向かった。
建物と建物の間にある通路を歩くとコツコツと音がなる。それがとてもきれいで、神秘的だ。
随分と歩くと辺りは商店街のように活気があり、賑わっている、「南区 快晴商店街」というところへ出た。
「そこのにいちゃん!うちの魚買っていかねえかい?今だったら50%引きだぜえ?」
「そこのおにいさん。あたくしの手作り洋服買っていかないかい?」
元いた世界での商店街とほぼ同じ。魚屋の店主のおじさん。洋服屋の気品なおばさん。どの人もそれぞれ違う個性を持っており、元気だ。そしてなにより気になったのはこの商店街の店員などはほぼ全員、背中に大きな銃を背負っている。どれも重そうだ。その銃というのが先程コスモが言っていた銃なのかもしれない。
「ええっと…ここか…」
商店街の少し外れたところにある古びた木で造られた小さな建物。そこには丁寧に武器屋とかかれていた。啓次郎は年季の入った木製のドアを開け、中へと入った。
「すいませ~ん」
中は思ったよりも小さく、いくつか銃や剣などが飾られていた。それも値段がかいてあり、おおよそ1000Gほどだろう。
カウンターと思われるところにはキャスター付きの褪せた青色に古びた椅子には白髪のヨボヨボのおじいさんが薄く開いている目で新聞を見ていた。
はたして店員はこの人でいいのだろうかと啓次郎は思いながらも店内にある武器を見渡していった。
どれも啓次郎が使いこなせそうにないものばかりだった。
「コスモ?どれがいいの?」
困った啓次郎はコスモにどれがいいのか質問した。
「カラージュウナンカイイトオモウガ」
COLOR銃というのは初めて来る人におすすめの銃らしい。心境を表す色へと変わるというものだ。
啓次郎はコスモにおすすめされたそのCOLOR銃を買うことにした。
「1000Gだけど…今回が初らしいねえ。じゃあ補助金が出るからそのまま持っていっとくれ」
どうやら初めて武器を買う人には補助金というのがでるらしい。啓次郎は補助金により、無償で銃を買えたのだ。
啓次郎は武器屋を出る。そして行った場所は南区センター。そこでは選手バッチを受け取ることができるらしい。
ピーンポーン。啓次郎が自動ドアをくぐると、音がなった。啓次郎は真っ先に受付へと行き、こう言った。
「選手バッチをください」
受付にいる女性は「かしこまりました」といい、受付棚の下から青色のバッチを取り出した。
「そして、最初の方は名札も差し上げますので胸ポケットにつけといてください」
啓次郎は名札とバッチを受け取り、外へ出た。辺りは真っ赤に染まっていた。
「コスモ。まだ?」と啓次郎。
「アト5フン」とコスモが返事した。
啓次郎はやる気に満ちていた。世界を変えるため。