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わあ…今回もじんわりと心が温かくなりました🧡 羽衣子先生の「少しだけお邪魔してもいいですか?」の勇気ある一言から、希海くんの「せんせ!」の笑顔がもう本当に尊くて…。小さな手でぎゅっと握り返す描写に、こっちまで胸がきゅっとなりました。 それに、昴さんの疲れた本音に気づける羽衣子先生の優しさ、素敵です。生活感のない家の描写もキャラの背景を感じさせて、続きが気になります…!
翌日の土曜日、休みだった羽衣子は気分転換も兼ねて街へ出ていた。
買い物を済ませ、少し歩いて帰ろうとしたその時、
「……あ」
ふと視界の先に見覚えのある姿を見つけ、思わず声が漏れる。
前方から歩いて来るのは昴で、腕には小さな袋をいくつか抱えていた。
「……こんにちは」
どこかぼんやりしていたのか、声に気付いた昴は一瞬驚いたように視線を向ける。
「……あ、吾妻先生」
「昨日は……その後、大丈夫でしたか?」
恐る恐る尋ねると昴はわずかに苦笑を浮かべた。
「ええ……病院に行ったら風邪だと言われました。ただ、まだ熱が下がらなくて」
「そうなんですか……」
「機嫌も悪くて、ずっとぐずっていて……正直、少し手を焼いています」
珍しく見せる困ったような表情に羽衣子の胸がきゅっと締め付けられる。
(……辛いよね、希海くん……)
熱に苦しむ小さな体が脳裏に浮かぶ。
(それに、奥様もいらっしゃらないから、看病も大変だよね……)
気付けば羽衣子の口は自然に動いていた。
「あの……もしご迷惑でなければ、少しだけ……お邪魔してもいいですか?」
羽衣子の言葉に昴は目を瞬かせた。
「希海くんとはいつも一緒に居ますし、顔を見せたら少し安心してもらえるかもしれないので……」
そこまで言って、羽衣子はハッとする。
本来、園児やその保護者と園外で個人的に関わることは褒められる行為ではない。
その事実に気付いた途端、羽衣子は慌てて言葉を重ねた。
「あ、す、すみません! 差し出がましいことを……! それに、そういうのは良くないですよね。本当にすみません、今のは忘れてください――」
そして先程の言葉を取り消そうとした、その時だった。
「あの」
昴の方から静かに声がかかる。
「本来、そういったことを頼むべきではないのは承知していますが……その、吾妻先生さえ良ければ、少しだけ……お願い出来ませんか?」
思いがけない言葉に羽衣子は思わず息を呑む。
「希海は吾妻先生のことが大好きみたいなので、顔を見れたら喜ぶと思うんです。だから、少しだけ……」
穏やかな声音の奥に、わずかな疲れが滲んでいた。
その様子に羽衣子は希海だけでなく昴の体調のことも心配になり、
「分かりました。それでは、少しだけお邪魔させてください」
そう答えると昴はホッとしたように小さく息をついた。
昴に案内され、羽衣子がやって来たのは駅近くに建つ高層マンションだった。
エントランスを抜け、エレベーターで最上階へ。
降りてすぐの角部屋の前で足を止めた昴が鍵を開ける。
「どうぞ」
「お邪魔します……」
一歩足を踏み入れた瞬間、羽衣子は思わず息を呑んだ。
室内は驚くほど整っていて生活感がほとんどなく、家具の配置や色味まで計算されたような空間はまるでモデルルームのよう。
とても小さな子供が暮らしているとは思えない程、隅々まで清潔に保たれている。
「……すごく、綺麗ですね」
「そうですか?」
昴は特に気にした様子もなく靴を脱ぎながら応じる。
その何気ない反応に、これが昴にとっては当たり前なのだと分かる。
その時、奥の方からひょいと顔を覗かせる影があった。
「あ、お帰りなさい」
現れたのは、昨日園に迎えに来た金髪の青年だった。
「こんにちは」
「あ、どうもどうも。昨日ぶりっすね」
軽い調子で手を挙げる彼に羽衣子はぺこりと頭を下げる。
「えっと……」
「ああ、紹介まだでしたよね」
戸惑う羽衣子を見兼ねた昴が言葉を挟む。
「こいつは弟分みたいなものなんです。こう見えて家事が得意なので、困った時によく手伝ってもらっているんですよ」
「広瀬 乙哉っす。よろしく」
ニッと人懐っこく笑いながら名乗る――乙哉に羽衣子も少しだけ緊張を解いたように微笑む。
「吾妻 羽衣子です。よろしくお願いします」
鷹槻れん

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#シークレットベビー
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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宇津Q
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「いやー、でも先生来てくれて助かりますね! 希海のやつ、マジで機嫌悪くて俺も昴さんもスゲェ手を焼いてて」
「乙哉、お前は少し黙ってろ」
そんなやり取りをしていた、その時だった。
奥の部屋から小さな泣き声が聞こえてくる。
「……目を覚ましたか」
昴が反応し、すぐにそちらへと足を向けたので、乙哉に続いて羽衣子も後を追うように部屋を覗く。
ベッドの上で目を覚ました希海が不安そうに泣いていた。
熱のせいか頬は赤く目元も潤んでいる。
「希海、大丈夫だ」
昴が優しく声をかけながら近付いた、その少し後ろ羽衣子の姿を見つけた瞬間、
「……っ、せんせ!」
涙で濡れていた希海の瞳が一気に輝き、小さな手をいっぱいに伸ばす。
「せんせ……!」
嬉しそうに笑みを浮かべて自分を呼ぶその声に、羽衣子の胸がじんわりと温かくなる。
「希海くん……」
そっと近付いて小さな手を取ると、希海は安心したようにぎゅっと羽衣子の手を握り返した。
「せんせ……」
小さな手で羽衣子の指をぎゅっと掴みながら、希海は不安げに見上げてくる。
その様子を見た昴は微かに視線を和らげた後、羽衣子へと向き直った。