#一次創作
#読切
警察官の私。
非情な犯罪を何度も目の当たりにして、
もう動く感情が少ない。
恋心なんて、一番縁遠いものな
はずだった。
一人の少年が自殺をした。
いじめや虐待を
受けていたわけではないらしい。
「ならどうして…」
少年の勉強机に、
綺麗に折りたたまれた、遺書があった。
どうやら自殺理由は失恋らしい。
その遺書を読み進めていくうち、
視界が潤んでいった。
頬を水滴が伝っていって、止まらない。
彼の短い人生にも、
数時間前までの私の人生にも、
お互いは居ない。
だというのに、
私は彼への慈しみを止められなかった。
私もこんな風に、
誰かに想ってもらいたい。
そう切実に、感じて、止まない。
それほどまでに、
この遺書は私の心を掴んで、離さない。
『好きな人から愛される、
なんて奇跡、
俺に起こせるはずもなかった。』
『1の100億分の1の単位を、
埃と言うらしい。
愛とはそれほど希少なもの
だという、俺への皮肉だろうか。』
『Stand by meとStand by youはセット。
そばにいることが出来ないと、
そばにいることは許されない。』
なんて、キザで、卑屈で、
それでも綺麗な、この1文1文が、好き。
『愛しています。ずっと』
なんて、最期まで一途を貫いた、
君が、好き。
それは、不叶うで、刹那で、
それでも一生忘れられない、恋でした。
Fin
コメント
11件
あああああああ、遺書の内容が素敵すぎた ... っ! 百億の一を埃って言うのすごい好き、 まずね!冒頭部分からすごいのよ!警察官の感情について語ってる?っていうか、そういうのがよりリアルで鳥肌🐓
遺 書 の 内 容 え ぐ え ぐ に 好 き な ん だ け ど ど う し よ う 私 も こ の 男 の 子 に 恋 し ち ゃ う よ ?? 深 夜 っ て な ん か ス ト ー リ ー 浮 か ん だ り す る よ ね 。 こ ん な す ご い の は 浮 か ば な い け ど ね ? ! !