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《生徒の君に》
藤竹は最近恋心に目覚めた。一時の血の迷いなのかもしれない。その恋心は柳田に。この恋は難しい恋だ。藤竹と柳田は生徒と教師の関係、そしてゲイ。柳田が藤竹の事を好きだということを知ったら二人とも幸せだろう。
〈理科室〉
今日も柳田が理科室にいる、今日は柳田以外誰もいない。
「お待たせしました」
「今日はプラネタリウムの実験だろ?」
「今日はふりこの実験で、明後日がプラネタリウムの実験ですよ。」
「まじか、準備し直さねぇと」
「今日は柳田くん以外は居ないんですか?」
「今日は皆忙しいってよ」
「そうですか。」
21時半頃実験が終わった。
「この実験でどこか気になる所やまだ調べたい物はありますか?」
「特に。」
「これとは全然関係ねぇけどいいか?」
「はい、どうぞ」
「あのさ、お前ってゲイとかどう思うか?」
藤竹は回答に困った。
「…個人的には、性別関係なく愛したい人を愛する事はとても良いことだと思います。」
「ふーん…」
「…あのさ、これ嫌だったら忘れて欲しいんだけどさ」
「はい。」
「俺、先生の事が好きなんだよな」
「…はい?」
「あのさ…聞いてんのか?」
「え、あ、もう一度言っていただけますか?」
「だから、先生の事が好き。」
「えっと、それはどういう意味で…?」
「いや、流れ的に恋愛的な意味だろ。」
「…そうですか」
「あ、えっと、僕も柳田くんの事好きでした。」
「…ありがと。」
2人の顔はほんのりと赤くなっていた。
話を遮るように藤竹が会話をそらす。
「と、とにかく今日は遅いので解散しましょう。」
〈翌日の放課後〉
「あのさ、俺ら好き同士分かったんだし、付き合おうぜ。」
「……」
「先生?」
今、考えると嫌な予感がする。
深く考えないようにしよう。
「…まあ、良いですよ。」
「よっしゃ。」
「…蕎麦屋にでも行こうぜ」
「え、多分これが初デートになるんですけど蕎麦屋で良いんですか?」
「じゃあ他に行きたい所あんのか?」
考えてみると特に行きたい場所なんてなかった。
「…特には。」
〈蕎麦屋〉
二人は黙々と蕎麦を啜っていた。
そして蕎麦を食べ終わった頃
「お前は他の女と付き合ったり告られた事あんのか?」
「あるように見えますか?」
「…いや?」
「僕は恋人どころか友達もほとんど出来たことありませんよ。」
「マジか」
「…あのさ」
「話逸らすけど、する時は上と下どっちがいいのか?」
これは一発で分かった。ここでする話ではないが。
下をやりたいなどと言えば男の尊厳というものがなくなってしまう。
「僕はどちらでも良いですけど柳田くんはどちらですか?」
「俺は上。」
「…でしたら僕は下でいいですよ。」
沈黙の空間が続く。
どうすれば良いのか分からない。
その沈黙を切り裂くように柳田は言った。
「あー、あのさ、また今度デートでもしようぜ。」