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泣いた…😭😭 kyoさんはrdの元へ行けてたらいいな…
こういう感じの話大好きです! 続き楽しみにしてます~!
kyo×rd 記憶喪失
〇〇×〇〇
目が覚めると白い天井で自分の腕には点滴が繋がっており口にも人工呼吸器が繋がれていた。
うまく声が出せない。ここはどこ、?
?「……俺は、誰?」
少しの間瞬きをしてぼーっと考える。
自分が誰なのか、なぜここで寝ていたのか何も思い出せない。
体も動かず金縛りみたいで目もしょぼしょぼする。
?「………………」
しばらくするとベッド横のカーテンが開いて女性のナースが顔を見せる。
mb「起きられたんですね!すぐに先生を呼んできます!……男性の方がよろしいですか?」
?「……?」
mb「男性の方が良かったら手を握っていただけますか?」
女性の言っていることがよくわからず手を握り返さずに目を見つめる。
mb「どちらでも大丈夫ですか?先生呼んできますね」
パタパタと駆け足気味で部屋を後にした。指先はわずかに動くが足の感覚があまり無い。目を向けようにも体が動かないのでそれは叶わなかった。
少しすると先生と看護師が入ってきていろいろ質問されるが俺は声が出なかった。
mb「…?声が出ませんか?」
口をパクパクとさせるが声は不思議とでない。喉が少し痛くなるだけだった。
mb「水持ってきてもらえる?」
mb「はいっ!」
先生は俺のいろんなところを触って脈などを調べているようだった。
しばらくすると水が持ってこられて人工呼吸器が外された。水を手渡しされるが手を差し伸べることができずそれを察した看護師が水を飲ませてくれた。
?「…っは、」
mb「ゆっくり飲んでくださいね」
?「……ぁ〜、ぁあ〜…」
mb「大丈夫ですか?」
?「あの…ここって、?」
mb「〇〇病院ですよ」
?「……?」
mb「あれ…?ここら辺に住まれてる方でしたよね?」
?「……さ、ぁ…?」
mb「ご自身の名前は分かりますか?!」
?「いや…すみません、」
mb「すぐに検査の準備して、」
mb「はい、!」
?「……?」
mb「あなたは…まだ詳しく検査していないので原因はわかりませんが記憶を失っているようです」
?「記憶……あの、俺の、名前は?」
mb「あなたの名前は…」
?「きょーさん!!!」
mb「ご友人の方…実はですね____」
医者は俺の友人らしき人と話していてその友人は悲しそうな顔をした。
にしてもさっき呼んだ…「きょーさん」もしかして俺の名前?
mb「あなたのお名前は、金豚きょー様です。」
ky「きんぶた、?」
mb「私たちは検査をの準備をしてもう一度呼びにきますのでそれまではお二人で……」
?「はい……ありがとう、ございます…」
医者はぺこりと礼をして部屋を後にした。友人は俺の顔を見た。
?「俺のことも覚えてない?誰か覚えてる人とかいない?」
ky「すんません…誰も、」
?「そっか、!俺…レウクラウドって言います!きょーさんは俺のことレウさんって呼んでたよ」
ky「レウさん…」
re「きょーさんは覚えてなくても俺が数年間の思い出全部覚えてるから気軽に接してもらって大丈夫だし分からないこととか聞いてね」
ky「ありがとう、ございます」
re「あと二人仲良い人居るんだけど紹介していい?」
ky「…!はい、!」
re「一人はもうすぐくると思うけどもう一人が北海道住みだから電話でね…」
ビデオ電話では黒髪の男が写っており両手で元気よく手を振っていた。
?「きょぉーさぁぁん!!聞いたよ!忘れちゃったんだって?もー!きょーさんの大好きだったコンタミだよ〜!」
ky「コンタミ…」
re「コンちゃんそれどこ?」
co「職場のトイレ〜!^^」
re「抜け出してきてくれたのね…w」
co「きょーさんごめんね、俺仕事あるから…また話そうね」
ky「はい…」
電話を切ったと同時にドアが開いた。
?「きょーさん…?」
ky「(友人…かな?)」
?「ア…エト、ミドリって言いマス」
ky「みどり、?」
md「キョーサンハ、ドリミーって呼んでタ」
re「きょーさん、俺らはずっと前からきょーさんと一緒にいる友達だからなんかあったら頼ってね。」
数ヶ月もすると退院して仕事にも復帰した。仕事はまた1から覚える羽目になったけど苦では無かった。
俺は毎週土曜に自分を思い出す為にいろんなところを歩き回っていた。
でもレウさんに聞いても「わからない」と言われることや自分の中で謎なことが少しあった。
今の職場では到底貯まりそうにない額の貯金。大きくて三つも画面があるのに中のデータがほぼ入っていないパソコン。家に何個か置いてあるカメラ、
これらは一体何のためにあったもの?
カメラの中を見てもデータは何も残っていなかった。パソコンもカメラもこんなにデータが残っていないと記憶を失う前の自分が消したのだろうか
ky「(元々、何で病院に運ばれることになったんだ…?)」
あの三人とは毎日話したりゲームをしたり。確かに記憶を無くす前は仲よかったそうだが
ky「このDiscord?っていつもこの4人で遊んでたのにグループ作ってなかったんやな」
3人「……」
ky「?」
re「そーだね!作ろっか」
ky「(何、この反応…?)」
re「きょーさんっ!」
ky「?」
re「今週の土曜はどこにいくの?」
ky「今週?今週はな…海にでも行ってみようかな」
re「海?いいね、ついていってもいい?」
ky「海に?…ええけど」
re「じゃあ一緒いこ!」
はじめての提案で少し驚いたが俺の運転で夕方頃に海へ行った。
季節は冬なので少し寒い。レウさんと階段に座って海に太陽が沈む様を見ていた。
re「…なんか思い出した?」
ky「ん〜……いや、」
re「じゃあ寒いしもう行こうか。このままご飯でもいく?」
ky「いいな」
レウさんは先に立ち上がり車へ向かっていた。次は運転してくれるらしい。
海に背を向けて立ち上がると誰かの声がした。
?「ばど。」
ky「…?」
振り向くが誰も居ない。
誰が俺のことを呼んだ?そもそも、ばどって俺なのか?なんで俺だとわかった?もしかして俺の記憶に……
re「…きょーさん?」
ky「ん?あぁ、ごめん」
車に乗ってシートベルトをつけてどこでご飯を食べるかを話しながら雑談を交わした。
re「あ、ここだね」
ky「美味しそーな匂い…」
re「いこ!」
ky「…あ、レウさん、?」
re「ん?」
ky「一個、思い出したかも知れへんから聞きたいんやけど…」
re「えっ!?嘘!なになに?」
ky「……誰か俺の知り合いで、俺のことを「ばど」って呼ぶ奴…いた?」
re「……………居なかったよ?」
ky「そ、っか…じゃあえーわ!行こ」
re「うん!」
mb「あれ?金豚さんは?」
mb「確かに…居ないね」
mb「昼休み終わったけどどこに行ったんだ…?」
仕事中にどうしても海での出来事が気になってまた足を運んでいた。
仕事をほおっぽってきてはいけない。そんなのわかっていたが仕事どころじゃなかった。
キラキラと光る雲が海の青を輝かせていた。
?「ばど」
次ははっきりと聞こえた。
聞き覚えのある声に自然と涙がこぼれていたらしく気づいたのは少し後だった。
誰なのか、俺の何だったのか、何も思い出せない。
海の上にいるそいつに触れるために海の中に向かって歩いていく。冬の海は冷たいがそんなのどうでもよかった。
ky「お前は……誰なんや、?」
?「だいすき」
ky「…………おれも」
自分から出た言葉にはっとして手で塞ぐ。…今、俺が言った?好き?俺が、こいつを?
だんだんと興味が湧いて自分も知らぬうちに深いところまで歩いて行って気づけば胸のあたりまでもう沈んでいた。
そいつは俺の手を引っ張るわけでもなく、俺の目を見つめていた。
ky「…なぁ、このまま進めば……俺はお前を思い出せるか?」
水圧のせいで重くなった足をそいつの元へ少しずつ進める。
?「…………」
ky「今…ッ、今、お前を諦めたら俺は……後悔する気がすんねん…」
?「……ばど、っ」
ky「俺に、思い出させてくれや」
口から泡が溢れ、しょっぱい海水で口の中が満たされて浮力によって体がふわりと軽くなった感覚。
薄れ行く意識の中、全て思い出した。
太陽の光に青い髪と海が反射して綺麗だった。
ky「(一緒にいこうって言ったのに、俺だけ生きてごめんな、)」
そこに見えたはずのらっだぁに手を伸ばした。