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魔界の西方に位置する、パラズーショ・トレーニングセンター。今回アブノーマルクラスが合宿をする場所である。ここは魔官署の管轄の施設で、比較的安全な施設なためここを選んだ。俺とルーシーで交代に運転をしながらバスで向かう。のだが…
「チキチキ!カラオケ大会ー!」
「待ってましたー!!!」
…このふざけようである。多少は許してやろうと思っていたが、これはあまりにもうるさい。
「…みんなはっちゃけてるっすね」
「アホどもが…」
「はいじゃあ歌う人決めまーす!」
「いやリードから歌うんじゃないのかよ」
「いや無理って。そんなこと言うならジャジーが歌いなよ」
「は!?」
このテンションがあと2時間続くと思うと吐き気がする。そろそろ粛清しておくべきか。
「あ!ならルーちゃんせんせーに歌ってもらおう!」
「たしかに!」
「…え?」
これは面白くなってきた。
「ちょちょちょ、みんなで歌いな?」
「後輩」
「カルエゴ先輩!わたし運転ありますよね!だから歌うの無理っすよね!!」
「お前が歌え」
「な!?」
※ここから少しの間、夢主視点でお話が進みます。
少し整理する時間がほしい。まず、わたしはそろそろカルエゴ先輩と運転を交代しなければならない。つまり物理的に歌うのは困難。だがあのカルエゴ先輩のことだ。きっと無理やり変わらないつもりだろう。そうなると結局歌うしかないと…?
「ほらせんせー歌って!」
「か、カルエゴ先輩…」
「歌え」
「はうっ」
歌えと言われても歌う曲なんて用意もしていないし、若者にウケる歌なんて知ったこっちゃない。アクドルも大して詳しくない。
「せ、先生あんま歌知らないんだが…」
「なんでもいいってー!」
ですよねー。そうっすよね。知ってましたはい。ならもう唯一知っているあのアクドルの曲しかない…。
「な、なら君の小悪魔黙示録で。」
「待ってましたー!!!」
ー歌い終わりー
「はい。おしまい。」
ようやく終わった。もう二度と歌ってやらないと心に誓った。それにしてもあの陰湿教師。後で絶対痛い目見てもらわないと気が済まない。
「う…」
「え?」
「歌うまぁぁぁぁぁ?!」
「は?」
「ルーちゃん先生歌うますぎでしょ?!」
「もう一曲!もう一曲!」
「ちょカルエゴ先輩!たすけ…」
あの陰湿教師、わたしを見てニヤリと笑いやがった。ぜっったい許さん。後でトレーニング付き合ってもらって、その後自販機の飲み物奢らせてやる。
※カルエゴ視点に戻ります。
いい気味だ。これで暫くはあいつの方にヘイトがいく。私は運転しているだけで良い。
ー2時間後ー
「着いたー!」
「うおー!すげぇ!でけぇ!」
この騒ぎようである(デジャブ)どうすればこいつらは静かになるのか。息の根でもとめればいいのだろうか。
「カルエゴ先輩…」
「なんだ」
「覚えといてくださいね???」
「知らん。とりあえずあいつらを落ち着かせろ。」
「はーいみんなー。今から中はいるから静かにねーとその前に。先輩。」
「あぁ。お前ら少し待っていろ。」
「え?」
「安心しろ。安全確認をするだけだ。」
いくら魔官署が管轄している施設とは言えども、絶対に安全が保証されている訳では無い。まず我々教師陣が着いたら、生徒を何らかしらの方法で守りながら、館内や敷地内の安全を早急に確認する。もしそこで異常が見つかれば、即刻帰宅と命令が出ているためである。
「お前は西側から確認しろ」
「了解っす。とりあえずみんなを結界で守ってっと…」
何も異常がなければいいのだが、だいたい何かしらあるのだ。帰宅はその異常のレベルにもよる。我々教師陣が対処でき、その後の安全が確保されているのならばそのまま合宿を続ける。しかし、生徒の安全どころか、自分たちも危険にさらされてしまうと判断した場合、即刻その場から避難する手筈である。
ビビッ
『カルエゴ先輩、聞こえますか?』