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「そろそろ水が欲しいな…」
森の中を一人歩きながら、金髪の少年、ドズルは言った。
そうしてしばらく歩いていると、森の奥深くに、とある村を見つけた。
道の先に看板があったので読んでみると、そこはフィオス村という村らしい。辺りを見渡すと、家はほとんど木で出来ており、周囲も森の大自然が広がっていた。
しばらく村の中を彷徨っていると、一人の老人に声をかけられた。
「おや?来客とは珍しい…旅のお方ですかな?」
「あ、はい、僕、この森を歩いてきたんですけど、素敵な村を見かけたので、つい立ち寄らせて貰っちゃいました。」
「ほほ、そうかそうか、まぁ、ゆっくりしていきなさいな、」
老人が去ろうとして立ち止まる
「あぁ、そうそう、緑神様に挨拶をしにいかねばの」
「緑神様?」
どうやらこの村には、辺りの自然と、 村を守っている、神様がいるらしい。村の人はとても感謝しているようだった。
「あそこの建物が神殿じゃ、」
そう言って老人は村の中央あたりに位置する、一つの大きく、豪華な建物を指差した。
「無礼のないようにな、」
そう言って老人は去っていった。
この村では、初めて入った人や子どもは、皆緑神に挨拶をしにいかなければいけない決まりがあるらしい。
門番に事情を説明し、さっき老人に貰っていた許可証を見せると、重たそうな木の門を開いてくれた。中に入ると、広い庭と入り口の扉が目に入る。
深呼吸をしてから慎重に扉を開き、緑神様がいるという部屋の前までゆっくりと歩いていく。
「失礼します、」
どんな姿なのかと慎重に扉を開けると、中に居たのは美しい緑の髪に、白い着物を纏った、眼鏡の少年だった。
そのどこか儚い美しさに、僕は一瞬固まった。