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・・・
どうしてこんなことになっているのかが良く理解できなかった
ただ私の家のリビングで、目の前にいる私が車で轢いたと思った男の子が、私の作ったカレーをものすごい勢いでガッツいているという不思議な光景をじっと私は見ていた
私の家のリビングで私の家のテーブルでしかも私の作ったカレーを・・・
彼はカレーの最後の一口をスプーンですくって口に入れ、ごくんと飲みこむと目を閉じた
痛みとも感動とも判別できない不思議な表情をしている
「あの?・・・大丈夫?」
私は麦茶をコップに注いで彼に差し出しながら囁いた、彼はフルフル震えながら言った
「・・・生き延びれるかもしれない・・・コイツをもう一杯お代わりできれば・・・ 」
「え・・・と・・よかったら・・・もう一杯――― 」
「くださいっっっ!!」
彼はカレーを二杯お代わりし、そして丼に入れてあげたティラミスも綺麗に平らげた
食べ終わる頃には彼は元気を取り戻し、蝋のように青白かった顔に少し赤みが戻ってきていた
「いやぁ~驚きました・・・こんなに具合がよくなるなんて」
ふうとため息をついて彼が言った
「油断しちゃダメよ!事故の後遺症って怖いんだから明日にも必ず病院に行ってね費用は全額負担するから 」
私は食器を食洗器に入れながら眉をひそめて言った、こんなにおなかをすかせているのだもの、きっと彼はお金を持っていないのだわ