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「実は・・・本当にあなたの車に当たっていません、僕・・・おなかが空きすぎてて・・・フラフラと倒れてしまったんです・・・そこへあなたの車が来たんですけど、寸前の所で止まってくれましたし・・・」
彼はさっきのようにもうぼんやりと具合が悪そうな様子には見えなかった
「ええ?じゃぁ・・・あなたはおなかが空いて道路に倒れたの?あやうく私はあなたを轢きそうになったのよ?」
「ハイ・・・・本当にすいません 」
彼は申し訳なさそうに肩をすくめた、なぜかいたずらをして飼い主の顔色を伺っている子犬のような雰囲気を醸し出している
そこで初めて明るい蛍光灯の下で・・・マジマジと彼を見た
まぁ・・・・・・・
思わずため息が出た
ふわりと毛量の豊かなセンター分けの漆黒の前髪がパラパラと額にかかっているけど
後ろはスッキリと刈り上げでうなじがとても綺麗だった
ダークブラウンの二重の瞳がじっと私を見据えている
その瞳が生気でキラキラしていた
しゅっとした鼻筋・・・
可愛い唇・・・・
彼ってとてもイケメンだわ・・・
でも・・・・すごく痩せている・・・・
ゴツゴツした広い肩幅に比べて、座っていてもわかるほどウエストは限りなく細い
それにどう見ても私よりかなり年下だ
急に自分の家で二人っきりなのを意識した
この人は怪我人でも具合が悪いでもなく、ただ単におなかが空いていただけなのよ
という事は・・・お腹が満たされた今は彼は健康な成人男性なのよ・・・・
途端に下腹部に不安の種が広まった
こんな深夜に男性と二人っきり・・・もし今何かされたら声のかぎりに叫んでも、外にいる誰かが聞きつけて助けてくれるだろうか、それか窓から飛び出して非常階段に逃げようかとも考えた
緊張が増して首の後ろが硬くなる、手に汗が噴き出してくる、落ち着こうと呼吸を浅く吐く