それにさ、彼の私への気持ちとか、私の彼への気持ちとかって、今から思うと愛なんかじゃなかったんだなって分かるんだよ。
愛じゃなくてただの依存だったし、しかもお互いに都合がいいから利用してただけなんだよね。どっちもさ。
今の私の麗や叔母さんへの気持ちとはぜんぜん違うって、比べてみたら分かるんだ。
それまでは比べることができなかったから、比べる対象が私の両親だったから、両親に対する私の気持ちだったから、それに比べたら、シュンくんの優しさは、愛だって思えたよ。愛だって錯覚できた。
でもさ、叔母さんと一緒に暮らして、一緒に麗を育ててみて、あんなのは愛なんかじゃなかったって分かっちゃったんだよね。
上手く言葉じゃ説明できないけど、ホントにぜんぜん違うんだよ。