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学校からの帰り道、
若井と別れて家に着くと、
玄関からもう家族の気配がしていた。
元貴『ただいま……』
そっと扉を開けると、
キッチンから母さんの声が飛んでくる。
母『おかえり、元貴、
今日は遅かったじゃない、何かあったの?』
リビングに入ると、
妹の綾華――中学2年生の元貴の妹。
恋愛や恋話が大好きで明るい女の子。――
までソファに座ったまま、
じっと僕を見ている。
元貴『…え、別に、普通だよ、?』
僕が何気なく答えると、
すかさず綾華がニヤッと笑った。
綾華『ほんと〜?
さっき、学校の前で若井先輩と
一緒に歩いてたの見たけど?』
母さんまで『まあ、若井くんと?』と
身を乗り出す。
元貴『えっ…なんで、そんな偶然…//』
途端に耳が熱くなってくる。
僕はそそくさとカバンを
置きに部屋へ逃げ込もうとしたけれど――
綾華『お兄ちゃん、顔赤いよ?』
母『学校で何かあったんじゃないの?
最近よく一緒に帰ってるし、
本当に仲良しよねぇ』
母さんと綾華が二人して詰め寄ってきて、
僕はカバンを抱えるようにして固まってしまう。
元貴『べ、別に…
普通に話しただけだって、!//』
綾華『ふ〜ん、若井先輩と話すと、
そんなに幸せそうな顔になるんだ~?笑』
綾華の揶揄う声に、
顔がどんどん熱くなっていく。
元貴『や、やめろよっ…
本当に、な、なんにもないし…!///』
母『あら、いいことじゃない、
冗談でも、母さんは安心したいのよ』
さらに母さんまで、
目尻にシワを寄せて優しく笑う。
母『好きな人ができて、
頼れる仲間がいるなら、
元貴も少しずつ大人になってきた証拠ね』
母さんと妹が並んで嬉しそうな顔を
しているのを見て、僕はもうどうにも
ならなくなってきて――
元貴『もうっ…うるさいな、!///』
精一杯の反撃をしかけて、
部屋のドアをバタン、と閉める。
ドアの向こうで綾華が
『お兄ちゃん、絶対好きだよね』と、
揶揄いながら笑っている声がする。
布団に顔を埋めてみるけど、
しばらくはずっと頬の熱が引きそうになかった。
でも心の中では、
ほんの少し“嬉しい”気持ちがこみ上げていた。
コメント
7件
家族がこんなにノリノリだったらもう怖いものないじゃないですか🥹🫶 本人恥ずかしがってるけど満更でもないのがはぁぁぁっ、ってなります😭
なんだ、この尊い家族は!?口角上がっちゃうじゃないか!!!!
わーんあやちゃんだいすきだから登場してくれてめちゃくちゃうれしいです😭💕そしてもときくんかわいい…🤦♀️