「えー?遠形さんって実采ちゃんのこと好きなんだってー!」
「有り得なくない?笑。実采ちゃんと釣り合わないでしょ。」
「み、実采…!!」
「私の事好きだったの…?キモいんだけど。近寄らないで。」
み…………のる……実
!!!!
「んぐ…!!……あれ?」
「どうしたのよ、悪い夢でも見た?」
「あ、お母さん…」
横に立っていたのはお母さんだった。
「夏休みだからって、寝坊は許しませんよ?」
「う、…今すぐ起きます…」
こう見えても、お母さんは私のためになる事をしてくれる。世話焼きだ。
今日はとてつもなく暇だ。
「実。今日はなんか予定はないの?」
「ないよ、あったらいいけど」
「そう、ならお使いたんでもいいかしら」
「えー……」
「お釣りで好きなの買っていいわよ」
「行ってきます。」
玉ねぎ、きゅうり、にんじん、じゃがいも……
「あ、あった…げ、値上げしてる…」
値上げは本当に困っている。
これくらいなら好きなものが買えそうだ。
今日はカレーかな。
「お会計◇◇◇◇円になります。」
お使い終わったことだし、お釣りで何買うか。
「本屋でも行こうかな…」
その時だった。
「あだっ、……」
なにかにぶつかってしまった。
「痛い……は、電柱、?」
「ふっ…んふっ」
誰かが笑っている。
「あ、あの見なかったことに……って」
そこには見慣れた人がいた。
「あはっ、!んふふ」
実采だった。
「ちょ、笑わないでよ……」
「だって…!可笑しすぎる…笑」
なんだか恥ずかしくなってきた。
「……実采は何してたの?」
「ん?さんぽー!」
「犬じゃないんだから…」
「人間ですー!!」
あぁ。
こんな日が続いたらいいのにな。
私には叶わないや。
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