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こんにちは。arisaです。
カンヒュ描きます。英日描きます。………
⚠️下手っぴちゅーい!⚠️
午前6時。冬の薄明かりがカーテン越しに差し込む頃、イギリスは目を開ける。腕の中では、日本がぐったりとした疲れの残る寝息を立てていた。
「……また夜中まで働かされたのですね、日本さん」
その髪にそっと指を通す。眠っている時だけは肩の力が抜けた、年相応の青年の顔を見せる日本。
彼は、イギリスの会社で働く一社員──しかし実質、仕事を押しつけられ続ける「社畜」になっている。
イギリスは長いため息を吐いた。
(あの部長……そろそろ本気でクビにして差し上げましょうか)
そんな危険な考えが浮かぶほど、日本は毎日疲れ切って帰ってくる。
「……ん……ぅ……イギリス、さん……?」
日本が薄く目を開ける。普段の会社では絶対に見せない、弱った声。
「おはようございます、日本さん。まだ寝ていてよいのですよ」
「いえ……起きます、仕事の準備を……」
そう言いながら日本は起き上がろうとするが、イギリスはその腰を抱き寄せた。
「ダメです。あと五分だけ、私に抱かれてください」
日本は一瞬で頬を赤らめた。
「……そ、そんな……。し、仕方ありませんね……少しだけ、です……」
けれど腕の中に身を預ける日本は、完全に甘えている。イギリスはその肩に顔をうずめ、「ずっとこうしていたい」と囁く衝動を必死に抑えた。
日本がシャワーを浴びて支度をしている間、イギリスは朝食を用意する。
テーブルに並ぶのは、卵料理、トースト、サラダ。そして、薄めの紅茶。
「イギリスさん……今日も朝食、ありがとうございます」
「当然のことです。日本さんが倒れてから、モンスターエナジーばかりで過ごすのは禁止と申し上げたはずですから」
「う……分かっています……」
日本は視線を逸らしながらも朝食を口に運ぶ。
イギリスはそんな日本を穏やかに見つめるが、その内側には静かな怒りがあった。
(あの部長……今日こそ覚悟していただきますよ)
出社してすぐ、日本は山のような書類を渡される。
「日本くん、これ今日中ね。あとこっちも」
「……は、はい……承知いたしました……」
今日も部長は悪びれない。日本は丁寧に受け取り、仕事を始める。
一方、社長室ではイギリスが冷たい紅茶を口にしながら書類を眺めていた。
その視線はいつもの柔らかさを失っている。
(日本さんに丸投げした書類……。あなたは本当に愚かですね、部長)
そして立ち上がった。
(今日の会議で、あなたの進退を問う議題をあげましょう。私の恋人を潰すような者を、会社に置く理由などありませんから)
社長としては冷徹でもいい。しかし──
一社員として働く日本には絶対に知られたくない。
「……さて、日本さんが倒れる前に終わらせましょうか」
残業時間に差し掛かる頃、日本は肩を落として席に座っていた。
「……終わらない……。あと三十枚……」
疲労で視界が霞む。
机の片隅には、封を切っていないモンスターエナジーが置かれていた。
(飲みたい……でも、イギリスさんに……怒られる……)
悩んだ末、日本はそれを引き出しにしまった。
その小さな決断に、誰も気づかない。
22時。ようやく帰宅した日本は、玄関で靴を脱ぐ前に膝から崩れ落ちそうになった。
「おかえりなさい、日本さん。大丈夫ですか?」
駆け寄ってきたイギリスが日本の身体を抱き支えた。
「す、すみません……今日は少し、疲れてしまって……」
「少しじゃないでしょう。顔色が悪い」
抱き上げるようにしてリビングへ運ぶと、日本は途端にイギリスの胸に顔を押しつけた。
「……イギリス、さん……」
「はい」
「……がんばりました……」
その言葉にイギリスの心臓が強く跳ねた。
「……ええ。よく頑張りました。私の日本さんは、本当に偉い方です」
日本は完全に甘えモードに入り、イギリスに寄りかかったまま動かない。
「……もう……動きたくないです……」
「動かなくていいですよ。私が全部しますから」
イギリスは日本を抱きしめながら、穏やかな声で囁いた。
(こんなに可愛い人を……よくも疲れさせてくれましたね、部長)
その目は優しいのに、奥底に暗い炎が揺れていた。
食事を軽く済ませ、お風呂に入れられた日本は、眠そうな目でソファに座っていた。
「イギリスさん……そばに、来てください……」
「もちろんです」
イギリスが隣に座ると、日本はすぐにもたれかかる。
「……会社では……ずっとイギリスさんに会いたくて……」
「そんなにですか?」
「はい……。イギリスさんの声、聞きたかったです……」
イギリスの呼吸が一瞬止まる。
(……ああ。なんて愛しい方でしょう)
腕を回して抱き寄せると、日本は嬉しそうに目を細めた。
「……イギリスさんのそばだと……安心します……」
「そのままでいてください。私は、日本さんがこうして甘えてくださる瞬間のためだけに生きているようなものですから」
日本は頬を染め、胸に顔をうずめた。
「……そんなこと、言われたら……離れられなくなります……」
「離れなくていいのですよ?」
イギリスの声は甘く、そして少し歪んでいた。
「日本さんは、私のものですから」
日本は驚いたが、すぐに力を抜いた。
「……はい……。私も……イギリスさんのもの……です……」
イギリスは満足げに微笑み、日本の髪を優しく撫で続けた。
寝室。布団の中で日本は、イギリスにぴったりとくっついている。
「……今日は本当に……しんどかったです……」
「もう大丈夫ですよ。明日は、あなたを苦しめる部長には……少し、休職していただきますので」
「……え? それは……」
「日本さんを守るためなら、何でもしますよ」
イギリスは微笑むが、その奥に冷たい決意が宿っていた。
日本はその胸に顔をうずめ、安心したように息を吐いた。
「……イギリスさん……大好きです……」
「ええ。私もですよ、日本さん」
静かに寄り添いながら、二人の一日は終わっていく。