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#監禁パロ
雪だるまひとひと💙
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第8話、読みました。双方向視点でお互いが「好きになったから距離を置こう」としてすれ違うのが、本当に切なくて…。特に「言えない」の一言で辰哉くんが「俺じゃない誰かがいる」と誤解する流れ、胸が痛かったです。でも最後の照くんの「親友のまま終わるより、好きだと言って終わるほうが後悔しない」という決意、すごく良かった。この選択がどう転ぶのか、次が気になります。
💛side
十月。
金木犀の香りが、朝の通学路を静かに包んでいた。
この匂いを嗅ぐと、夏が本当に終わったんだと実感する。
教室へ入る。
いつもなら最初に辰哉を探す。
でも今日は違った。
見つけたのに、自分から話しかけられなかった。
目が合う。
お互い笑う。
それだけ。
それ以上近づけない。
文化祭の日から、何かがおかしくなっていた。
好きだと気づいてしまったから。
今まで通りなんて、もう無理だった。
昼休み。
珍しく辰哉は俺の席へ来なかった。
クラスメイトと話している。
楽しそうだった。
笑っている。
その輪の中に俺はいない。
たったそれだけのことなのに。
胸が少しだけ痛む。
……何やってるんだ。
辰哉には辰哉の友達がいる。
俺だけじゃない。
分かっている。
分かっているのに。
気づけば弁当の味がしなくなっていた。
💜side
今日は照のところへ行かなかった。
いや。
行けなかった。
行ったらまた顔に出る。
好きだって。
全部。
だから距離を置こうと思った。
少しだけ。
少しだけ我慢すれば、元に戻れると思った。
でも。
照が一度もこっちを見ない。
そのことが、思っていた以上に苦しかった。
放課後。
帰ろうと昇降口へ向かう。
いつもなら照が待っている。
今日はいなかった。
外へ出る。
夕焼けが街を赤く染めている。
歩き出そうとした時。
💛「辰哉」
後ろから声がした。
振り返る。
照が立っていた。
💜「帰ったと思った」
💛「ちょっと先生に呼ばれてた」
少しだけ沈黙。
いつもなら自然に始まる会話が続かない。
歩き始めても、お互い黙ったまま。
足音だけが響く。
耐えきれなくなったのは俺だった。
💜「最近さ」
💛「うん」
💜「避けてる?」
立ち止まる。
照も足を止めた。
💛「……違う」
💜「じゃあ何」
聞かなきゃよかった。
そう思った。
でももう止まらなかった。
💜「俺、なんかした?」
照は困ったように笑う。
その笑顔が、今は苦しかった。
💛「違うって」
💜「じゃあ教えてよ」
💛「……言えない」
胸が締めつけられる。
その一言で全部分かった。
俺じゃない。
照には誰かいるんだ。
だから言えない。
そう思ってしまった。
💜「そっか」
笑ったつもりだった。
きっと笑えていなかった。
💜「じゃあ、また明日」
振り返らずに歩き出した。
呼び止めてほしかった。
でも。
照は何も言わなかった。
💛side
待て。
その一言が出なかった。
辰哉の背中が遠ざかる。
追いかければいい。
そんなこと分かってる。
でも。
追いついたら。
好きだって言ってしまう。
だから動けなかった。
夕焼けだけが静かに沈んでいく。
人生で初めて。
辰哉と別々に帰った日だった。
夜。
スマホを開く。
辰哉とのトーク。
何度も文字を打つ。
『ごめん』
消す。
『明日話そう』
消す。
『好きなんだ』
指が止まる。
送信ボタンを押せば終わる。
楽になる。
でも。
怖かった。
結局、何も送れなかった。
💜side
眠れない。
時計の針だけが進んでいく。
ベッドの上で天井を見つめる。
照の「言えない」が何度も頭の中で繰り返される。
きっと好きな人がいる。
俺じゃない誰か。
そう思うだけで息が苦しかった。
スマホを開く。
照との写真。
文化祭。
夏祭り。
帰り道。
全部笑ってる。
画面を閉じる。
涙なんて出ない。
その代わり。
胸の中だけが、静かに崩れていく音がした。
💛side
翌朝。
教室へ向かう途中。
俺は決めていた。
もう逃げない。
このまま何も言わずに終わるほうが嫌だ。
教室へ入る。
辰哉はまだ来ていない。
窓際の席。
朝日が机を照らしている。
その景色を見ながら思う。
もし。
今日で全部終わるとしても。
この気持ちだけは、ちゃんと伝えよう。
親友のまま終わるより。
好きだと言って終わるほうが、きっと後悔しない。
そう信じた。