らしいで!」
侑は最初からテンション高め。
でも、子どもみたいに騒ぐ”というより、
「俺かっこよすぎん?パパ似合いすぎん?」という自信満々の方向に盛り上がっている。
エスカレーターに乗りながらもニヤニヤしてる。
「なあ🌸、俺ってさ、抱っこして歩いてたら絶対注目浴びるよな?
日本代表の宮侑が赤ちゃん抱いてんねんで?そら見ちゃうよな〜」
「はいはい、自信過剰パパさん」
🌸が笑うと、侑はさらに気分が良くなって肩で風を切って歩く。
侑はベビー服を眺めながら、
「……あれ?意外とちっちゃ……。これ着せるん?」
口調はテンション高いのに、その目は真剣。
侑には珍しい“緊張”の色が見える。
「……俺が雑に触ったら破れへん?これ」
「破れないよ!」
「いや〜……赤ちゃんってこんな小さいん?
思ってたより……守らなあかん存在やな」
ぽつりと本音が漏れて、
🌸はちょっとキュンとする。
近くにいた学生の集団が騒ぎ始める。
「え、宮侑じゃね?」「似てるくない?」「マスクしてるけど…」
🌸(うわ……バレた……)
心臓がギュッと縮む。
侑はすぐ気づき、🌸の背中にそっと手を添えて低い声で囁く。
「大丈夫。俺に任せとき」
さっきまでの自信満々が一瞬で消え、
代表選手の冷静さが出る。
侑はくるっと向きを変え、
🌸を自然に自分の前へ移動させて“壁”のように周囲を遮る。
そして、わざと普通のカップルっぽい雰囲気を作るために
小さな声で軽く笑う。
「ほら、こっちの方が可愛いで。…見てみ?」
学生たちは「違うか」「似てただけか」と遠ざかっていった。
🌸がホッと息を吐くと、侑は肩を軽くすくめて笑う。
「そらそうやろ。俺、隠れんの上手いんやで?
双子の兄弟と入れ替わって育ってきたからな」
さっきの緊張のせいか、侑のテンションは高いけど騒がない。
「この哺乳瓶とかどう?手ちっちゃい子でも飲みやすいらしいで。
……うちの子、絶対可愛いよなぁ」
あなたの手をとって、
一つひとつ丁寧に選んでくれる。
「……なあ🌸。
俺、ちゃんとパパなれるんかなってちょっと思ったけど」
🌸の指をそっと握りながら、
「さっき学生に気づかれそうになってさ。
“守らなあかんのは人気とかイメージやなくて、
目の前の家族なんやな”って思ったわ」
侑は照れたように笑い、
🌸のお腹を優しく撫でる。
「これからもっと色々大変なるかもしれんけど、
俺、全部一緒にやるから。
世界中が見てても、俺は🌸と子どもを優先するわ」
普段の軽さとは違う、
心からの言葉だった。
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最高やんもう