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お互いの気持ちが通じ合って、すごく気分が良かった。誤解もしてたみたいだけどそれもなくなって、今こうしてくっついていられる。
「あろま、かわいかった」
「うるせ」
まぁいわゆるそういうことをしたわけだけど、あろまは暑いな、と言って浴衣の前を開ける。そういうのに俺弱いんだよなーと思いつつ、俺はタオルを持って立ち上がる。
「どうした?」
「もう一回風呂入る」
「暑くね?」
「むしろ外のほうが涼しいだろ」
「そっか。じゃあ俺も入るわ」
さっき飲み残した日本酒を持って、俺たちは露天風呂に向かった。一回目に入ったときも緊張していたけど、今はもっと緊張している。それでも俺に心を許してくれたこいつを拒むことはしない。
それが俺の足の間にすっぽり収まってしまっていても。
「あろまさん?」
「ん?」
「なんでそこなんですかね…」
「…なんとなく」
俺の体を背もたれにするように、くっついて温泉に入る。これはこれですごく刺激的なんですけど…
俺はあろまを抱きしめるようにして腰に手を回す。
「腰ほそ…」
「ゴリラに言われたくない」
「ゴリラじゃないですけど」
「筋力えぐいじゃん」
腰に回された俺の腕を触りながら満足そうにははっと笑っている。そういう無邪気な笑顔もやっぱりかわいい。
ふと、まだこいつに聞いていないことがあったのを思い出した。
「あろまはさ、俺のどこが好きなの」
ストレートな聞き方だっただろうか。もっとオブラートに包めばよかった?でも俺にはそんな小細工できないしな。
すると少し考える素振りを見せたあと、
「声…かな」
と、それだけ。
「なんで声?」
「お前の低い声、落ち着くんだよね」
「はぁ」
「男らしくてさ、かっこいいと思う」
「ああ、だからさっき耳元でしたとき…」
「おい、それ以上は言うなよ?」
「はいはい」
そっか。そんな風に思われてたんだ。俺といるときのこいつは無感情、無表情、無言を貫くと思っていたけれど、予想外の収穫だ。
「俺、普段動画見ないけど、お前の一人実況だけは聞いてる」
「え、マジ?」
「それ聞いて寝てる」
「え…なにそれ破壊力やば…」
すごいだろ、と得意げに言っている。次から次へと飛び出てくる事実についていけない。逆になんで今までは関わりが少なかったのかと不思議なくらいだ。こんなに好かれているならもっと早く気付きたかったのに。
「お前はどうなの。てか、いつから?」
「俺たち、ライブの練習で一緒になること多いじゃん」
「そうね」
「普段ドライなのに練習は人一倍頑張ってるからさ、そこに惹かれたのかも」
「…薄着な俺見てムラついたんだろ」
「はは…否定はできないっすね」
どっちも本当の話だけど、それよりも最近は可愛さのほうが勝ってるなってそんな気がする。企画で失敗したメンバーを見て、バカにするように大笑いしたり、やらしい話で盛り上がったりしてるときが可愛いなって。
「…じゃあ今の俺、好きだろ?」
「はい?」
「裸でくっついてるの、どう?」
「いや…すごくよろしくないですね…」
「変態紳士」
わざとやってるだろって怒ってみたけど、バレたか、とケタケタ笑っている。俺の性格上、翻弄されるのがわかっててやってるんだろうな。
そういうところもずるいんだよ、お前は。
To Be Continued…