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「ローマさんは今まで手強かったライバルいますか?」
「そうだね、トップシャイニングや周尹宣といるけど、1番はユリノ先輩かな!」
「ユリノ先輩?」
「小柄で可愛い子なんだ!私も惚れちゃうことあるんだ!」
「フルネームなんて言うんですか?」
「ユリノテイオーだよ」
(ユリノテイオー、ローマさんの1番の…戦友)
ユリノとは何度も会ったことがあるが、強さを知らない。
トレーナー室に現れたのは、ローマの戦友周尹宣だった。
「元気にしてた?」
「元気だけど、後輩のトレーニング考えるの大変だよ…!」
「ローマさん…もしかしてこの方?」
「君がメジロフレイム?有馬記念見てたよ!!ローマみたいだったよ!!」
「⋯⋯」
「周、その辺にしといて」
「⋯なんかごめん!」
初めて会うフレイムを見て、まるでローマみたいなオーラを感じていた。
「ローマいる?」
「ユリノ先輩!」
「久しぶりだねユリノ!」
「周ちゃん!!」
周ちゃん?ユリノも知っているのか?
「実はね、有馬記念の前に周が来てくれて、トレセン学園に体験入学させてもらったんだ!あの時は楽しかったなぁ!」
「そうなんですね!」
体験入学か…俺もカテゴリーで戦う友達が出来たら来て欲しいな!!
「それで…実は私、ワールドチャンピオンシップのトレーナー資格を取得したんだ!!」
ワールドチャンピオンシップのトレーナー資格を取得?!凄い…!!
「今年から行うことになっているから、是非ともメジロフレイムを専属にしたくて!!」
「良かったじゃん!フレイムのトレーナーが早くも」
「ただ…私だけじゃ心配だから、父さんに教わりながらやっていくよ」
周の父は中国でも知名度が高いトレーナーでもあり、China URA Awardで名誉会長を務めている。
「周、フレイムの走り見てみる?」
「それ気になる!」
「いつでも構いませんよ!」
フレイムの走りを見るため、トラックにやって来た。
「3200、天皇賞・春の設定で走ります」
「日本のGIでも最長距離、楽しみで仕方ないな!」
天皇賞・春のレコードはローマが記録していたが、キタサンブラックにレコードを更新されている。
だが…日本最強のメジロフレイムの走りはどうなるか──
「んじゃ、行こう!!」
「スタートダッシュは悪くないな…今のところ順調か」
その後も、安定したペースで走ってるフレイム、だが、タイムを1度見てみると──
ローマも驚いている。練習だが、このペースで行くと…レコードを約3秒切る事になる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
最終コーナーを駆け上がり、最後の直線で1段階ギヤを上げた。
フレイムは、戦う事に速くなっている。
スパートをかけ、ゴールイン。
気になるタイムは──
2秒1上回ってる…
「これでもまだ80%ですよ?」
「いや、80%でもこのタイムは本気のレースと同じ速さ…恐ろしいな」
とてつもなく速い…有馬記念の時にキタサンが怪我するのもおかしくない。
「でも、このペースじゃこの先持つか分からないよ。今は抑えておかないといけないね」
「え?」
「君はまだ未熟なところが沢山あるから、そこを何とかしないと」
(ローマと周ちゃんのコンビ凄い…弱点をすぐ見つけてる!)
(変わったなローマも…!)
ローマの成長と周の知識がフレイムの今後を変えるかもしれない。
「ローマさん!周さん!ユリノさん!」
「キタサン!」
「久しぶりだねキタサンブラック!君の友達絶好調だよ!天皇賞・春出走したら1着間違いなしだよ!!」
キタサンも周に会うのもあの有馬記念の前の体験入学以来。その後の活躍も見ているという。
「そうだ、来年の17人のウマ娘気になるでしょ!調べてきたんだ!!」
そう言い、周は手持ちのパソコンを開いた。
「まずは、前人未到の6連覇を達成した神童 エースプロスト。デビューからいきなりチャンピオンを獲得し、あのヴェニュスパークとリガンドーナを上回る速さを持っている」
ルドルフ会長も言っていたエースプロスト。速さは衰えないと言っていた化け物だ。
「そのエースプロストと何度も争ったのがシアンアブソリュート。エースがデビューする前は3連覇をしていたけど、強さは健在なんだ」
「さっきから気になっていましたけど、ゼッケンナンバーって…?」
「これはね、自分で好きな数字を決めていいんだよ!!」
前にも書いたが、エースは44、シアンは5など、ナンバーを自分で決めることができる。
「フレイムちゃんのナンバー何がいいのかな?」
「まだ分からないから考えるわ」
「んで、カテゴリー在籍11年目の大ベテランコグニザントヴァルキリー、香港のネイションズイライジャ、イライジャの後輩がチェインスピード、インド出身のアヴェニュープライド、ロシア出身のオリバーチェイス、シアンと同じサウジアラビア出身のマーヴェリックフライ…マヤノトップガンと同じ変幻自在の脚足を持っている。イギリス出身の大逃げジェスティーパレス、スペインのダイムラーロック、ドバイ出身で最後尾から1着まで全員交わした経歴を持つハイドランス、ダイムラーロックと同じスペイン出身のライドオンサウンドがいる」
「…凄いウマ娘ばっかりだ」
「どのライバルも速さは衰えるのに全然衰えはしない。いわば世界のカテゴリーなんだ」
「…──世界に行くのか?」
「ドゥラメ!」
ドゥラメンテ
皐月賞 ダービーを制した2冠ウマ娘。荒々しい走りで魅了する。キタサンやクラウンなどと走ったことがある。
ちなみにフレイムはドゥラメと呼んでいる。
「トレーニングか?」
「ああ、君の併走をお願いしたい」
「フレイムちゃんと?」
「…私は最強の証を証明するために走り続けた。シリーズを離れても、私の願いを託す者を…」
「…探しているわけか」
もうフレイムの同期はトゥインクルシリーズを離れている。後に歴史を作り上げるウマ娘が少しずつ現れ始めている中にフレイムがいる。
ドゥラメンテも荒々しい走りで2冠を達成している。最強のメジロフレイムを相手にどうなるか?
2人は走り始めた──
設定は中距離2400mの左回り
「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ──」」
(ドゥラメと走ったことはないけど、終盤でガツンと来る追い上げが待っている!)
(流石は年度代表のウマ娘。けど、だからといってひるまない!)
終盤の第4コーナー
ドゥラメンテがスパートをかけた。ジリジリとフレイムに迫る…が──
フレイムの動きがおかしいだろうか、2m瞬間移動した。
これは幻覚なのか?
結果フレイムが1着でゴールイン。ドゥラメンテはフレイムの走りに驚きを隠せなかった。
「これがチャンピオンシップの強さ…」
「併走ありがとう、ドゥラメと走れて楽しいぜ!」
「…最強への証が証明出来るといいな」
「ありがとなドゥラメ!」
「余を上回るウマ娘、メジロフレイム」
トラックの上から1人のウマ娘が見ていた。それはとてつもない圧を感じる。
「フレイムが気になるのかなオルフェ」
オルフェーヴル
三冠ウマ娘であり、ゴールドシップとは対戦したことがある。強い眼差しから恐れられているウマ娘も多いが、ローマはなんともなく接している。
「日本最強を示すときが近づいている。それは現役時代もそうだったでしょ」
「──…今更言うことか?」
「…あの有馬記念は忘れないよ、きっとあの子も見てくれているから」
「約束を果たしてトゥインクルシリーズを引退したんですわね」
「──…ジェンティル、貴様なぜ現れる」
ジェンティルドンナ
トリプルティアラのウマ娘。オルフェーヴルとは同期である。鉄球を小さくするほどのパワーの持ち主だ。
「あら、そんなに怖がらないで下さる?あの守護者がどうしても気になってね」
守護者…つまりフレイムのことだ。菊花賞で実況が言っていた光の守護者と。
「無敗の四冠という称号を聞くと、ねじ伏せてしまいたいですわ」
「もう余のことは飽きたのかジェンティル?」
「…最強を示すのはこの私しかいませんわ」
「2人とも、フレイムと走りたい時は程々にしてよ。怪我でもしたら大変なんだから」
大事なレースがすぐ近くに来ている。ワールドチャンピオンシップの英雄譚の1人になるために!
翌日 土曜日
「あれ?フレイムちゃ〜ん!!」
「ヴィブロスさん!ヴィルシーナさん!」
ヴィルシーナ
シュヴァルグランの姉さん。トリプルティアラ路線で活躍したウマ娘。ジェンティルドンナ相手に不屈の闘争心を今でも燃やしている。
ヴィブロス
ヴィルシーナの妹。普段から甘えん坊でもあるが、ドバイのGIレースで勝利している。
「フレイムちゃんも買い物?」
「来週大手VTuberのイベントで公式のコスプレイヤーに認定が決まって、コスメとか見ておこうと思って」
「大手VTuberの公式コスプレイヤーから認定されたの?!スゴーイ!!」
フレイムはウマ娘のコスプレだけではなく、VTuberのコスプレもやっている。フレイム自身のウマッターでも10万人のフォロワーがいる。
「3月16、17に開催だから、できるだけ本人に似ているようにしたいんです」
「じゃあじゃあ、私が選んであげるよ!ね、お姉ちゃん!」
「ありがとう!けど、まあまあ高いのは難しいからな」
コスメショップにやってきた3人。普段使っているものとは全くの別物。
「ねぇねぇ、これとかどうフレイムちゃん!!」
ヴィブロスが見せてきたファンデーションを紹介された。
そのファンデーションの色合いというと──
「凄い…こんなに変わるんだ!!」
「フレイムちゃん絶対これ似合うよ!これと…このアイシャドウと合うと思う!」
「ハハ…ヴィブロスさんは凄いな!」
(2人共、楽しそうね!)
その後、一通り回り、最低限の物は買えた。これでイベントでも大盛況になる。
「今日はありがとう、久々に楽しめて嬉しかった!」
「フレイムちゃんと楽しめて嬉しかったよ!また行こうね!」
「うん!ヴィルシーナさんもありがとう!一緒に回ってくれて」
「また一緒に回ろうねフレイムちゃん!」
一時だけ末っ子みたいな感じがしたフレイム。日に日に笑顔が多くなっていった。
3月16日 土曜日
大手VTuberイベント初日
会場には多くの人が集まっており、コスプレや痛車、グッズを持ち歩く人も多々いた。
会場のメインステージ裏では、フレイムが衣装を着て準備をしていた。
(緊張するな…レースと違って普段の俺と違うからな)
「メジロフレイムさん、準備出来たら行きましょう」
「分かりました」
裏から出てみると───
(…凄い、こんなに人が…!)
会場はかなりの人だかり、さらにフレイムと同じくコスプレで参加している人も多くいた。
(よし、俺もアピール開始するか!)
コスプレステージも設営されており、たくさんのカメラマン達が撮影していた。初参加のコスプレイヤーもいる。
「あぁ!あの子顔良すぎ!超イケメンじゃん!」
「メジロフレイムか!レースとは全然オーラが違うな!写真撮ってもいいですか?」
「大丈夫ですよ!」
その後フレイムの周りにはたくさんのカメラマンが集まってきて、かなりの人気になった。
「フレイムちゃんどこにいるんだろう?もう撮影始まってる時間帯だし」
同時刻、キタサン達も来ていた。キタサン達もこのようなイベントに来るのは初めてだった。
「かなりの人…レースの時もこんな感じなんだ」
「海外から来た人もいるんだ!凄いな!」
大手Vtuber事務所は海外タレントも活動しており、世界でも有名な事務所となっている。
「コスプレエリアはここだから…あっ!!」
キタさんが目をつけたのは、コスプレに扮したフレイムの姿があった。
だが…人気のあまり近寄れない。
「フレイムちゃんの人気凄すぎ!」
「こんなに人気なの⁈」
(凄いな!こんなに来てくれたなんて!)
「…!すみません、ちょっと…」
フレイムが人混みを避けていると——
「キタサン!みんな!」
「フレイムちゃん!」
「あれ⁈キタサンブラックだ!」
「メジロフレイム⁈握手したい!」
キタサンブラックとメジロフレイムの名前が知れ渡り、コスプレエリアはかなりの人数が集まって来た。
「こちら、かなりの人だかりがいますが…何が起きているのでしょうか?」
インタビュアーも集まって来てしまい。メジロフレイムだということは知らない。
「すみません!インタビューよろしいでしょうか?」
「大丈夫ですよ!」
「今回こちらのキャラクターはなんでしょうか?」
「こちらはですね、AZSAさんのアイドルステージ衣装です!大人な感じが溢れてて俺も気に入ってます!」
「失礼ですが…メジロフレイムさんですか?」
「…その通りです」
「そうですよね!最近女性ファンが多いウマ娘として注目されていますね!」
女性ファン?俺そんなに女性に人気なのか?
知らなかったな──
「この後のステージ、登壇して頂くのは大丈夫でしょうか?」
「ステージ?」
「衣装はそのままで大丈夫です。タレント達もメジロフレイム様を見てもらいたいと思いますので」
「…但し、レースの事は口に出さないで頂けるのなら登壇しますよ」
「分かりました!」
フレイムはレース以外なら色々話す事を約束した。
事務所所属のタレント達もウマ娘を見ている人もいる。
メインステージ
ステージの客席には多くの人がいた。もちろんキタサン達も──
「凄いな!こんなに集まってる!」
メインステージでは色々なファンが多く集まっていた。
「なにか情報が入ったけど…メジロフレイム?誰ですかね?」
ウマ娘を知らないライバーもいるが1人知っている人がいた。
「あぁ!あのメジロフレイムね!めちゃくちゃかっこいいウマ娘なんだよ!!」
「メジロフレイム?!まさか?!」
「登場するのか?!」
多くの人がメジロフレイムの名に響き渡り、ざわついていた。
「登場して頂きましょう!どうぞ〜!!!!」
フレイムの登壇と共に大きな歓声が上がる。まるでライブ会場にいるみたいだ──
「凄い歓声!こんなに人気があるの?!」
「しかもかっこいい!!」
2人のVTuberばフレイムに釘付け。
「皆さんはメジロフレイムさんをいつから応援しているんですか?」
「皐月賞から見てます!」
「有馬記念から見てます!」
ほとんどがレースで見てくれている。
中には意外なところから──
「コスプレから来ました!」
「コスプレから?!ありがとうございます!」
コスプレから知った人もいる。やはりレースだけでなく、コスプレも人気がある。
「確かメジロフレイムさんはワールドチャンピオンシップに参戦しますよね?」
レース以外ならと伝えたが、やはり気になるだろう。
(仕方ないか、夢を実現するためにも)
「もちろん。向こうの世界はどんな景色があるのか楽しみですが、景色を見られずに終わる可能性もあります。俺の脚が持つか分かりませんし、ワールドチャンピオンを願う人もいる。私を強くしてくれたローマさんや、仲間達に勇気を届けるために、俺は走ります!」
「おぉ〜!かっこいい!!」
「凄いなぁ!」
フレイムのコメントに拍手が上がる。
「頑張って──」
(母さん…頑張るよ!勝利の思いを!!)
月曜日
音楽室
「ありがとなアース、バイオリンの合わせ凄いな相変わらず」
「ありがとうフレイム。君こそピアノのリズムは最高だね!」
サウンズオブアース
キタサン達と同期のウマ娘。バイオリンは上手く、フレイムと演奏することもある。チームカノープス所属
「最近どうだい?レースでの調子は?」
「問題無い。いつでも出場できる準備はできてる!」
フレイムが海外渡航まで後数ヶ月弱。時が少しずつ来ている。
「そうだアース、この曲も聞いてくれるかな?」
「もちろん!なんの曲だい?」
🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶
「儚さを感じる曲。これは?」
「しゃぼんだまとんだ。ミラクルに教えてもらったんだ!」
儚さ…この曲が後にフレイムを揺るがす出来事に発展する───