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45 - 第45話 礼子の一大事?

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2025年03月04日

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◻︎ドラマチック



とっておきの美味しい紅茶を淹れる。

部屋中にふんわりいい香りが広がって、空間から癒される気がする。


「いい匂い!で、息子はBLで娘はストーカー?なかなかドラマチックなファミリーだね」


息子と娘の話を礼子にした。


「ドラマチックねぇ。たしかに他人が見たらそうかも?ねぇ、礼子のとこも息子だったよね?県外の大学だったっけ、元気?」


クッキーに手を伸ばしていた礼子の動きが、ピタ、と止まった。


「え?」

「はぁ、忘れてたのに…」

「何を?息子ちゃん、どうかしたの?」

「この年でいきなり、二人の孫ってどう思う?それも小学生だよ?」

「ごめん、言ってる意味がわからない」


礼子の話だと。

息子は大学3年、一人暮らしで、バイトをしながら大学に通っていた。そのバイト先のファミレスである女性を好きになって、交際を始めて…。


「結婚したいって言い出したのよ、一回り以上も年が離れていて、子持ちなのよ、二人も」


「それはまた、そっちの方がドラマチックかも?」

「その上ね…」

「まだ何か?」

「妊娠したって…」

「なんと!!じゃあいきなり孫3人?」

「そうなのよ、どうしよう?ねぇ、どうしたらいい?」

「どうって…どうしようね…。ね、相手の女…の子、というか女性には会ったの?」

「近いうちに連れてくるって言ってる」

「ご主人はなんて?」

「……」


黙り込む礼子。


「礼子?」

「にぎやかになるね、だって。お気楽過ぎるでしょ?」

「え?あはは、じゃあもう決まってるようなもんじゃない?」

「えーっ、やっぱり?」


多数決をとったら、多分、礼子対その他大勢。


「色々大変だろうけどさ、頭ごなしに反対しない方がいいと思うよ」

「んー、ね、美和子も来てよ、挨拶に来るって日にさ。私一人だとオロオロしちゃうよ」

「てか、私、他人だから」

「誰より近い他人だから、お願い!」


両手を合わせて拝まれる。


「まあ…いいけど」

「やった!これで百人力、ゲット!」


次の週末、礼子の一人息子、雅史と、その恋人の成美が挨拶にやってくるその場に、私もお邪魔した。


_____私の立ち位置は…さしずめ小姑だな


なんて思った。










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