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テラーノベル(Teller Novel)
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「おい!、黒猫娘!

俺と対決だ。」

「はぁ?…なんでそんな事しなきゃいけないんだ?」

「するって言ったらするんだよ!」

「えぇ??

なんでなんだよ…。まぁ、いいけど?」

「言ったな!!

俺が勝ったら、今度こそ魔法教えろよな!!」

「へいへぃ…」


最近はずっとこれだ。

対決、対決って…魔法教えろって…


「いくぞぉ!!おらぁ!」

「……遅っそい。」


バシャン!!


「よっ…お前だって遅せーよ!!」

「あぁ?手加減してんだよっ!!」


こいつっ…こうやって僕の事をからかってくる。

まぁ、容姿に比べて年齢は行ってるから、ちょっとした事で怒ったりすることは無いんだが…


「へっ…チーーービッ!!

チビだからそんなにひ弱なんだ!」

「……は?」


昔っから「チビ」って言われる事は気に食わん。


「あ、やべ」


だから僕は、手加減が苦手だ

《火属性 火球》




「おぉ、すまんすまん」

「痛ェ……」


やりすぎてしまった……

《水魔法 治癒》


「てか、どこでそんなに魔法習得してんだよ」

「あぁ…えっと村長さんに教えてもらってるかな?」

「ええ、いいなぁ…」


実は言うと、前世から使えていた魔法が今世でも使えているだけ。スキルとかは今世で習得したものしかないけど、称号とかはそのままだな。

鑑定されたら大変だな。偽装しとくか


「はぁ、そろそろ帰るか」

「おう」


村に着いた頃には日が落ち、夕食の準備がされていた


「ただいま、遅くなった」

「大丈夫だよ、そろそろ夕食だから家入ろう」


家の中に入ると、美味しい匂いが充満していた。


「おいしそぉ〜」


今日は村長の誕生日で、

夕食は豪勢、お肉もいっぱい並んでいた。


「「神に感謝を、今日に感謝を、種に感謝を」」

「いただきます…」


美味い美味い…

やっぱり、時代が進むにつれて、食も変わるものだなぁ。

うぅ…感謝感謝


「アンジュ、この機に契約を結んでもいいんじゃないのか?」

「え、もうそんなですか?」


この村では7歳になると精霊と契約を結べることになっている。

僕は特別に5年だ


「…そうですね。

そろそろ契約した方がいいかもしれません」


契約を結ぶと、魔力の消費を下げてくれたり、

体への負担を減少させてくれたりする。


「アンジュちゃんにはどんな精霊が憑くのかしら」

「アンジュは妖精に愛されとる、

いい精霊が憑いてくれるよ」

「え〜…そうだといいな」


それから踊ったり、歌ったり、久しぶりに夜更かしをした。


「……ふぁ〜ぅ、ねむ」



「起きて…アンジュちゃん、起きて」

「ん…誰」

「アンジュちゃん、光音虫見に行こ!」


僕に声をかけていたのは、同い年…の、ソフィだった。


「光音虫…?」

「うん!ちょうど今、光ってるとこ!

早く行かないと、飛んでっちゃうよ」

「はいはい…分かりましたよ」


そう言うとソフィは、駆け足で家を出ていった。


「夜で暗いんだから、足元気をつけなよ!!」


…聞いてはなさそうだ。

ソフィは、僕より妖精に好かれている方だと思う。

ソフィは、光の妖精で足元を照らしながら、どんどん遠くへ行ってしまう。


「はぁ…元気だなぁ、若いもんは

……っ!?」


魔物だ、

ソフィが向かった方に魔物がいる…3…5……いや10!

ソフィは、妖精に好かれてても魔法はダメだからなぁ…

ていうか、なんでここまで魔物が来てんだよ。

あぁっ!もういいや…とりあえず倒すか。

瞬間移動…?いや、空間操作


転移だな。

《転移》


「よっ…うわぁ!

久しぶりで訛ってるな…鍛え、直さないとな!」


《火魔法 炎波》


「あぁ!森に火が移っちまう」


《水魔法 水波》



「ふぅ…危なかった危なかった…

ドライアドに恨まれたら、たまったもんじゃない」

「あっ、アンジュちゃん!」

「光音虫はこの先?」

「うん!もうすぐだよ」


ソフィと、妖精に導かれるまま進むと、

浮遊する光が見えてきた。


「あ、なんか光ってんね」

「うん。あれが光音虫だよ、綺麗だよね」


光の方へ進んでいくと、

大きく開けた場所に出て、光音虫が飛び交っていた。

日本で言う『蛍』みたいなものだ。


「はぁ、私もあんなふうに綺麗に飛び回ってみたい」

「ソフィは今のままでも綺麗だよ。

それに、浮遊魔法を使えば飛べるでしょ」

「もう、浮遊魔法は上位魔法なんだってば!

それに、私は羽で飛んでみたいの!!」

「あぁ……叶うといいね」

「うん!」


空の雲が開けてきて月光が差すと、

光音虫に反射して、もっと綺麗になった。


「……?…………っ?」

「アンジュどうしたの?さっきからキョロキョロして。」

「ねぇソフィ、ここって本当に来ていい場所だったの?」

「え、うん…まぁ普段魔物とかでないし」


にしては、妖精の気配が無さすぎる、

さっきの妖精もいつの間にかいなくなってるし…

早速、スキル使ってみるか。


《スキル 千里眼+探知》


あっ…やっぱり、魔物こっち来てんじゃん。

でも、おかしい

ここまで踏み込んでくることなんか、無かったのに。


「アンジュちゃん?どうしたの?」

「あんたさぁ…はぁ、

とりあえず来たのがソフィで良かったわ」

「え?どういたしまして!!」


《称号能力 与獲者》

《スキル 隠密》


「え?なになに?」

「ちょっと黙ってろ」


本当にソフィが一緒で良かった。

『与獲者』相手に魔法の付与やスキルの付与をし、その見返りとして、魔法やスキル、ステータス等を一つだけ借りることが出来る。


「今から見ること、聞くことは他言無用!

僕も怒られたくないからな!」

「え?あぁ…うん。」


《スキル 思考超加速+未来視》

《闇魔法 影g…》


ダメだっ、これを使ったら、木々が枯れてしまう…だからと言って深淵魔法を使う訳にはなぁ…

あっ


《木魔法 樹手》


「ヴァン!ヴァン!!」


ん〜、減る気配しねぇなぁ…じゃぁこれは?これは!


称号『森の使い』を獲得しました。


おぉっ、前世では手に入らなかった称号だな。

って、違う!早く減らさなければ…ソフィが


「zZZ…」

「……こいつ囮にして逃げようかな。」


はぁ…どうする、

あっ、魔眼使えばいいんじゃね?

称号で魔眼の使い手あるし、魔眼も持ってるし!

これでいけるっしょ


《スキル 歪曲の魔眼》

《称号能力 魔眼の使い手》


「ヴッ…」

「グァ…ヴ、アァ””」


我ながら流石だな。ふっ



「おいっ、起きろよ…ソフィ」

「んぅ…ん?あぁ、アンジュちゃん。終わった?」

「…おん」

「そっかぁ、!良かった…」

「お前寝てただけだけどな!!」

「だってぇ、私魔法使えないもん…

私も魔法上手になりたいなぁ」

「………なれるよ」

「え?そう?嬉しいなぁ」


だって、ソフィは”僕より”精霊に好かれてるから…

魔力も多いしね。だから、上手になるよ


「??どうしたの?アンジュちゃん…」

「ん?なんでもないよ。帰ろ」

「うん!!」





「おはよう!頑張ってね!アンジュちゃん!」

「しっかり、見つけてもらってくるんよ〜」

「アンジュ!行ってらっしゃい!!」

「うん。行ってくるよ。

いい精霊に出会えるといいんだけど」


今日は、僕が遂に精霊と契約を結ぶ日。

だから、今から精霊の泉へ向かう。

うっ…緊張してきた。

こんな歳にもなってまだこんな事で緊張してるのか。


「アンジュ…そろそろ行こうかの」

「はい。」


しばらく森の中を歩くと、泉へ着いた。

泉へ行くまでの道は、常に草木で整備されており、道は分からないようにしている。


「さぁ、行きなさい。」

「はい…」


契約の儀式は1人でする。

うぅ…変なの来たらどうしよう、こっくりさんみたいに、お帰りくださいとかできるのかな?


「頑張るんじゃぞ…」


そう言うと村長はその場から姿を消した。

よし…どうか、いい精霊が来てくれますように!!


祈った。妖精へ、精霊へ問いかけるように。


「ふふ、可愛い子」

「エルフじゃないね」

「すごぉい…子」


少し、少しづつ声が聞こえてくる。


「やだやだ…悪魔の子、悪魔」

「魔女よ魔女」

「気持ち悪い…」


「ふふ…私、この子にするわ…綺麗ね。可愛い」


ふわっと、頭に何かが触れたような気がした。


「……俺も」

「えぇ!私が先だったわよ?」

「いや…君、前に興味無いって言ってたじゃないか」

「だってぇ、あの時はよく見えなかったんだもん」


……イライラ


ガヤガヤゴチャゴチャ


「あぁっ、もう!!

2人とも来ればいいじゃん!!」


「「え。」」


「ぁ…」


勢い余って目を開けると、目の前には女の子、男の子、いや。女性と男性がこっちを向いて驚いていた。

え…多分。この人達、精霊だよね…え、やばくね?


「あ…えっと、す、すみません。その…どうか、えっと」

「いいの!?」

「え?」

「私達2人が来てもいいの?」

「えっと…はぁ、はい?」

「やったぁ!じゃ、じゃ…これからよろしくね」

「え、?えっと…は?」

「おい…主様が困っているだろう」

「あ…主?」

「はい…2人で来ていいとならば、

是非…私達精霊…いえ、大精霊は貴方様にお尽くし致します。」

「え?え?」

「うんうん!だからねっ!これからよろしくね!」

「おい…無礼だ」

「えぇ〜?なによ」


は?は?…いや、急すぎて分からん。

は?主様?上位精霊…?えーっと?



は?


「えーっと…、良いのかな?ダメ、かな…」

「き、君たちは僕の精霊って事でいいのかな?」

「はい、私達は主様の精霊でございます。

主様が私達を認めてくだされば、正式に主様の精霊になることが出来ます」

「そそ!だからさ、私達と契約してよ!」


これはいいのか?

いや…これ以上悩んでも時間の無駄だ。


「う、うん…分かったよ。

君たちの主になるよ。」

「わーい!やったぁ」

「ありがとうございます…主様。」

「私達は正式に主様の下僕になったんだから、

敬語はいらないからね!」

「し、下僕?…ま、まぁいいや。」


契約というのは、このような簡単な気持ちでしていいものなのか?前世では結構頑張って契約してたんだけどな…時代の流れというものは早いものだな…。


(ちなみに2000年も前のことである。)


「とりあえず、自己紹介から。

僕はアンジュ・ノワール。よろしくな」

「えっと…私達は主様に名前を決めてもらうことになってるんだけど…。」

「えっ!?そうなのか?」

「はい、ですので是非」

「「おねがいします

致します」」


って言われてもなぁ…

名付けかぁ、自分の娘にしかした事ないな。

風…風の精霊…ゲイル。

女の子らしくないな…ゲイル…イル………

あ、そういえば大精霊なんて言ってなかったか!?

えぇじゃぁ、シルフィード…シルフ、シルフィー!

そうだシルフィーだ。


「えぇっと…君!」

「は、はい!」

「君の名前は今日からシルフィーだ。いいな?」

「あ、はい!ありがとうございますっ!」


あとは、花の精霊か…フローラだろ?

んーーー…あ、フルールでいっか。

あ、なんか適当でごめん…


「君はフルール!

いい?」

「はい。ありがとうございます!」


男子でフルールとかって思ったけど良かった…

えっと、これからどうするんだ?


「では、村へ戻りましょう」

「え?」





ということで村まで戻ってきたが、視線が気になるな…


「精霊を2人連れているのは珍しことなので、気になっているんでしょう」

「えっ!?ぁ、あぁ…」


え、何それ、めっちゃいいじゃん


「アンジュ様は人気ですね。」

「おい、シルフィー、名前呼びなどっ…」

「なによ、フルール、いいじゃない」

「そ、そうだよ、別にどんな呼び方でも構わないよ」


とにかく、早くここから去りたい…


「あ、アジルパおじさん!」

「おぉ、アンジュ…えっ!?」

「あら、アンジュ…契約は終わったの?」

「うん、えっと…この2人がその契約した精霊」


おじぃちゃん、驚いて立ててるやん。

お姉ちゃん…もう少し驚かんの?


「こんにちは!私はアンジュ様の精霊

大精霊シルフィー」

「私は大精霊フルールです」

「「どうぞ、これからよろしくお願いします。」」


「おぉ…」

「わぁ、すごいわ、大精霊ですってよー」



普通大精霊とか、言っちゃあかんやろ。

ていうか、2人ともビジュいいなぁ…

大精霊が2人来るのは予想外だったが、

まぁ役に立つならいっか。


大精霊を2人連れた冒険者…

いいじゃん、なんか主人公ぽいじゃん。

これからに期待…か。




今日の成績表───────────────

名前:アンジュ・ノワール

年齢:不明

職業:不明

種族:シャット・ノワール


〈女神様からのお告げ〉

ソフィはアンジュと同じぐらいの背と見た目という事で、勝手に同い年としている。アジルパは目を覚ましたアンジュを引き取ってくれた家族の一人、お姉ちゃんというのは、ルピーというアンジュより背が高く、見た目もお姉ちゃんぽいからと、勝手にお姉ちゃんとしている。

次回「魔の大迷宮 フェリィ」


今日の雑談────────────────

投稿遅くなりました。

主の方の事情が度重なり、

書くことが出来ておりませんでした。

今回は長くなりましたが、楽しく読んでいただけると。

今日の雑談はここまで、ではまた次回お会いしましょう。


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