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人生で辛いと思った事はなんですか。

数えだしたら、キリがないですか。

辛いと思ったことの方が多いですか。

生きている事が嫌になった人のお話を覗いてみましょう。


生きていることが辛い。

こんな事を思ってしまう自分の思考回路が憎い。

自分は恵まれた環境に生まれた。

家族も優しく接してくれる。

友達も優しく接してくれる。

近所の人も、先生も、皆優しい。

なのに自分は息苦しい。

何も辛いことなんてないのに生きていたくない。

いくら眠っても疲れがとれないんだ。

どれだけ休んでも休んだ気がしないんだ。

周りからの視線も

期待の声も

甘ったるい言葉も

全てが嫌になってくる。

なんて贅沢な人なんだろう。

自分はとても恵まれている。

それなのに

その自覚を持っているのに

自分は生きたくない。

どうしてだろう。

病気だろうか。

辛い。辛いなあ。

このことを誰にも言えず

1人抱えて寂しく死ぬのだろうか。

死はどんなものなのだろうか。

死んでしまったら

何かが始まる訳では無い。

死んでしまったら

全ての終わり。

人生の幕は二度と上がらない。

生きているうちが華なんだ。

けれども生きている今が辛い。

そんな場合はどうすれば良いのだろうか。

死は救済をもたらす。

全ての終わりだからこその救い。

自分は死んだ方が良いのだろうか。

生きていて辛いなら

死んだ方が良いのではないか。

その方が

もう

何も考えなくて済むのではないか。

でも死んだ後はどうなる。

自分が死んだ後

残された家族や友達はどうなる。

悲しむのだろうか。

それとも何も感じないのだろうか。

どうしたら良いのだろうか。

嗚呼神様

神様

自分はいったいどうすれば良いのでしょうか。

神様

神様

嗚呼どうかお応えください

神様

神様


死にたくないのならば生きなさい。

生きたくないのならば死になさい。

生と死は常に隣り合わせです。

貴方はどちらでも、どちらにでも行けるのです。

選びなさい哀れな人間よ。

同じ生き物を殺し、その血肉を食べ

生に執着する哀れな生き物よ。

人は皆愚かです。

己の愚行には気付かず、相手の愚行だけを指摘する。

そんな哀れな生き物でさえも生死平等に在る。

選べるのです。どちらでも。

どれだけ哀れな愚行の道を歩んでも、

どれだけ哀れな生を歩もうとも、

等しく平等に、死は在ります。

祈り、願いなさい。

生きたいのならば生きなさい。

死にたいのならば死になさい。

貴方の祈願が天にまで届くように。


神様

神様

自分は祈りました。

たくさんたくさん願いました。

けれども苦しみも息苦しさも消えません。

一方に悪化するまでです。

神様

神様

嗚呼神様

どうか

どうか

哀れな人間の私めに応えてください。


祈りなさい。

願いなさい。

貴方のその心晴れるまで。

祈り、願い、

頼み続ければいつかは。


神様

神様

どうして叶わない。

どうして届かない。

嗚呼。

私はもう諦めた方がよろしいのでしょうか。

神様

神様

私はいったい

どうすれば良いのでしょうか。

どうか

どうかお慈悲を


祈り、願い、頼んでも

届かないのならば

その心晴れるまで孤独を体験してごらんなさい。

恵まれた貴方は孤独を知らない。

未知は罪。

嗚呼哀れな人の子よ。

その身をもって行きなさい。

孤独の時間を。

孤独の気持ちを。

全身をもって味わいなさい。

宵から開静時までの一夜を。

良き旅路を。


鳥の声がした。

ここはどこだろう。

神様

神様

自分は今どこにいるのでしょうか。

死んでしまったのでしょうか。

それともまだ生きているのでしょうか。

自分の周りはイチイの花がたくさん。

奥に影が見えました。

あれはなんでしょう。

話しかけてみましょう。

今自分は1人です。

これが孤独なのでしょうか。


そこのお方、ここがどこかご存知でしょうか。

真っ黒な方。

目も口も鼻もないお顔。

自分よりも大きな体。

真っ黒さんは私に問いました。

“どうして”

真っ黒さんは涙を流しました。

泣いているのでしょうか。

どうにか慰めたい。

けれども自分は真っ黒さんに触れないようです。

残念。

仕方ありません。

他を当たりましょう。

それにしても静かです。

あたりはもう暗くなってきていました。

彼は誰時。

薄暗く相手が誰か見分けがつきにくい時間のこと。

どこかも分からない場所ではどうすることも出来ません。

他に人を探しましょう。

歩きました。

哀れな人間は歩きました。

暗闇を。

洞窟を。

草道を。

そうしてようやく辿り着きました。

若草色の服を着た、

天満月のように輝く瞳、

哀感漂う雰囲気の人に。

失礼、こんばんは。

こんばんわ。

突然で申し訳ございませんが、ここはどこなのでしょうか。

ご存知?

ここは私の家です。

私の。

もう暗いのでお休みになっていって。

ああ、お気づかいなさらず。

いいえ、遠慮しないで。

私は***。

貴方は?

自分は、

自分は、



















何でしたっけ。

お忘れになって?

それは大変。

でも大丈夫。

きっと思い出せますよ。

大丈夫。私がついてます。

ありがとう。

お言葉に甘えるわ。

ええ、ご存分に。


***はどうしてここにいるの。

とても暗い場所。

真っ黒さんもいたわ。

私はここで待っていたのです。

貴方が来るのを。

神様にお教え頂きました。

貴方は彼岸と此岸

どちらを選ぶのか迷っていると。

だから導いてくれと。

そうだったのですね。

お待たせして申し訳ございません。

いいえ。よろしいのです。

どうかたくさん悩んで、迷って。

悔いのない選択を。

少しお休みなさい。

時間も有限です。

明るくなる前に、

夜明けまでに行かなくてはなりません。

貴方は選ばなければなりません。

でも今だけはどうぞ、ご存分にお休みなさい。

休んだ後はまた迷いなさい。

また悩みなさい。

その後どうするか、ちゃんと選択しなさい。

良き旅路を。


目が覚めると***は居なくなっていた。

自分も***の家ではなく

また真っ暗な道にいた。

ここは一体どこなのだろう。

神様

神様

自分はいったい。


また真っ黒さんに会いました。

先の真っ黒さんとは別の真っ黒さんのようです。

いったいどうしたのでしょうか。

皆泣いています。

言葉をかけることも触れることも許されません。

どうしたら良いのでしょう。

突然声をかけられました。

どうしてお前はここにいるんだと。

真っ黒さんではありませんでした。

紺碧のような瞳

明色のような髪。

とても素敵な人でした。

お前はどうしてここにいる。

何しに来たんだ。

望んでここに来たのか。

たくさん質問されました。

少し頭が混乱しました。

1つずつ答えていきましょう。

自分は自分の悩みを解決する為にいるんでしょう。

悩みを解決するために迷い、悩み、そして選択する為に来ました。

望んで来ました。

そう言うと目の前の人は呆れたようにため息をつきました。

そういえばこの人を何処かで見た気がします。

どこだったでしょう。

お前はこの先に行ってはダメだ。

俺に付いてこい。

失礼ですが、見た目から女性だとばかり。

男性だったのですね。

よく言われる。

俺は♦♦。

お前は❆❆❆だ。

覚えておけ。

それは自分の名前ですか?

そうだ。お前の名前だ。

よく、覚えておけよ。

分かりました。覚えておきます。

悩み迷う、か。

お前はもう選択したのか。

まだです。

ずっと迷っています。

どっちがいいとかも決まってないのか。

はい。

優柔不断だな。

生と死を選ぶのはとても大事な事ですもの。

そんなことを悩んでいたのか。

そうです。

………………そうか。

ほれ、着いたぞ。

ここは?

お前が行くべき場所だ。

お前は生きるのが辛くなったからここに来たんだろう。

なら、もう、

決まってるんじゃないのか。

そうですね。きっともう既に選択していたのでしょう。

それでもまだ執着していたからここに来たのでしょう。

お前はどうしたい。

本当に悔いのない選択をするんだ。

ええ。

もちろん。

貴方について行きます。

忘却のその先にあるのは、追憶でした。

また会えて嬉しいです。

悔いのない選択を。

良き旅路を。また会おう。

はい。

そう言い短い別れを済ませ、

一面イチイで埋め尽くされた道を行きました。

皆さん。

お久しぶりです。

お会いできて嬉しいです。


私の周りは黒い服を来た方々で溢れていました。

さあ、終わったことですし外に出ましょう。


黎明。

おはようございます。

あの子は良き選択をとれたのでしょうか。

辛いと思えばすぐに悩めばいいのです。

辛いと思えばすぐに迷えばいいのです。

何も恥ずかしい事ではありません。

自分を肯定して。

自分を崇めて。

自分を称えて。

どうか自分を嫌いにならないで。

他の誰よりも自分の味方をしてくれるのは

自分だけです。

誰も知らない自分を知っているのも自分だけです。

自分が全てなのです。

どうか悔いのない選択を。

嗚呼今日もとても綺麗な朝日和。

倶会一処。

黄泉の国でまた会いましょう。

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