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#めめなべ
#ご本人様には関係ありません
コンソメパン
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【命の霊薬・誘拐事件】
その日は、ただ普通に過ごしてただけだった。いつもみたいにふっかと佐久間と遊んで、涼太と家の近くまで一緒に帰って、あと少しで家に着いたんだ。
なのに、気付いたら、椅子に縛り付けられてた。手は手すりに、足は椅子の脚に、それぞれ枷みたいなので固定されて、目の前には男が立ってた。高校生くらいだと思う。どっかの制服っぽい。そのネクタイに、花のマークの入ったピンが付けられてる。
💙「……誰……?」
「君にはこれから、大切な役割を担ってもらう」
💙「やく、わり?」
「そう。君にはたくさんの花を作ってもらう。そう、たくさんの、ね」
そこからはもう、よく憶えてない。ただ、研究員ぽい人たちがたくさん、動き回ってた。俺は言われた花を出して、それを研究員が持ってって、何かをして、また花を言われて出して……ってするだけ。
何で花を出してるのかも、わかんなかった。
でも、言われたらやらなきゃって、そう思った。
それが、どのくらい続いたのかもわかんない。気付いたら、右手の甲に赤い結晶があるのがわかった。よく知ってる。俺の花びらの結晶だ。それが何枚も重なって、結晶花になる。ああ、いつ見ても綺麗だな。
花を一つ作ると、また腕の違うとこに結晶花が咲いた。もう一つ作ると、結晶花も、もう一つ。そうやって、何回か繰り返した。
翔太が帰って来てないって連絡があったのは、別れてから30分後だった。もう17時を回って夕方になったから帰ったのに、家の近くで別れたのに、翔太が帰ってないわけない。近くを捜してくるって言って、俺は家を飛び出した。
すぐに佐久間とふっかにも連絡する。翔太がいなくなったって。そしたら、佐久間の粒子転移でふっかと一緒に来てくれて、近くを捜して走った。
でも、いなかった。
それに、気付いたんだ。翔太の花びらが一枚、地面に落ちてた。ただいなくなったんじゃないって、そこで分かった。
だから俺は、その場で立ち止まって目を閉じた。耳を澄ませて、その声を捜す。遠くにいると思う、翔太の声。一言でも聞こえれば、多分、場所もわかる。
お願い、翔太、何か喋って。
―――――。
❤️「聞こえた。翔太の場所、わかった」
🩷「マジ!?」
💜「って、舘さん、耳! 血、血ぃ出てる!」
ああ、どうりで痛いと思った。でも、緊急事態だし、しょうがないよ。翔太の方が大事。胸が苦しくて、頭も耳も痛いけど、それどころじゃない。
❤️「今は翔太の方が先。ふっか、ふーちゃんで連れてって」
💜「わかった。でも、終わったらちゃんと病院、行くからな!」
❤️「わかってる」
佐久間の粒子転移の方が早いけど、まだ飛べる距離は短いって言ってたし、佐久間に負担がかかる。だから大きくなった鳥のふーちゃんに連れて行ってもらう。
もう少しだ。翔太、待ってて。
着いたのは、製薬会社の建物。その近くにある、研究所みたいな建物。鍵は、かかってなかった。
❤️「佐久間、こっからなら粒子転移できそう? 地下二階で、こっから多分、30メートルくらい先」
🩷「そんくらいなら、いける。ただ、脱出のことも考えると、戦闘になったら俺は異能、使えないよ?」
💜「じゃあ、佐久間にはふーちゃんをつけるよ。場所によっては、ライオン出すから」
🩷「いいね」
❤️「じゃあ、行こう」
佐久間と手を繋いで、粒子転移で建物の中に入った。そこは、コンクリートが打ちっぱなしになった冷たい廊下。目の前には、いかにも実験してますっていうようなドア。
🩷「ごめん、ここ、カギかかってるから入れなかった」
❤️「大丈夫。このくらいのドアなら壊せるよ」
ドアに手を当てると、冷気がドアを覆って一気に凍り付いた。そのドアを強く押すと、氷にヒビが入ってドアごとガラガラと、大きな音を立てて崩れる。
中には、研究員っぽい人が何人かいて、その傍では長い机の上にいろんな機材が置いてあって、いくつもの花も見えた。
そして部屋の中央に置かれた椅子に座ってるのは翔太で、枷をつけて縛り付けられてる。でも、それだけじゃない。翔太の手とか顔に、結晶花が咲いてる。
すぐに分かった。あの花は翔太が生成したもので、翔太がオーバーロードしてるんだって。
❤️「翔太!!」
なんだなんだと慌てる研究員。その奥から、黒いスーツ姿の男が何人も来る。
でも、俺が足を踏み出すと一気に氷が床を駆け巡って、鋭い氷が研究員たちに向かって行った。
❤️「ふっか、佐久間、翔太を。オーバーロードしてる」
💜「わかった。あの枷、外す」
ふーちゃんをライオンの姿に変えて佐久間の傍にぴったりつかせて、ふっかと佐久間が翔太の方に向かった。
感情が昂るのを感じる。翔太の目が、虚ろだったから。
無理やり使わされたんだ。オーバーロードするまで。違う、オーバーロードしてからも、きっと。
そう思った瞬間、俺の体を冷気が包み込んだのが分かった。
それでも、向かって来る黒スーツの男達。異能力者もいる。攻撃が向かって来る。それを、俺は氷で防いで、更に氷漬けにする。足元から円状に氷が広がる。
ああ、俺もオーバーロードしてる。手を見たら、白っぽい氷のような色をしてるから。
でも、異能を使うのを止めるつもりなんかない。
🩷「涼太! 翔太、解放した!」
❤️「先にふっかと外に出して! その後に俺も!」
🩷「わかった! やられんなよ!」
佐久間もふっかも翔太もふーちゃんもこの場からいなくなった。だからもう、遠慮しない。足元の氷の円が一気に広がって、部屋中を氷漬けにした。もう、動く人間は、俺以外にはいなかった。
その後、戻って来た佐久間に外に出してもらって、更に施設から離れたところに連れて行ってもらった。
❤️「俺もオーバーロードしてる。このままだと、多分、俺の周りが凍る。翔太だけ残して、佐久間とふっかはこのこと、俺らの親に伝えてくれる?」
💜「舘さんはどうすんの?」
❤️「翔太の体から、粉が舞ってる。あれ、毒だ。でも翔太のオーバーロード、日光を浴びなきゃ戻らないんだよ。能力の鑑定ができる人から聞いたんだって。だから、ここで朝まで待つ」
🩷「それで涼太は平気なの?」
❤️「オーバーロードしてても、これ以上は使わなければ進行しないから。連絡、お願いね」
💜「わかった。明日の朝、また来る」
ふーちゃんに乗って二人が見えなくなると、俺は寝てる翔太の隣に座った。俺の体の下から凍り付いて、翔太の体も覆う。その氷はどんどん広がっていって、今いる公園全部を凍らせていった。
❤️「今日は徹夜だね」
そんなことを思いながら朝まで待って、翔太から離れると、翔太を覆ってた氷を溶かした。
朝日を浴びて目覚めた翔太は、日光を浴びるのが凄く嫌そうだったけど、そうしないとオーバーロードが終わらないから渋々座ってて、俺はそんな翔太を見ながらゆったり過ごしてて、いつの間にか、氷は消えていた。
俺の愛と情熱で溶けた。ってことにしておこう。
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