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家に着くとシャワーを浴びてベットに沈み込んだ。
朝まで2人で寄り添って寝ていたシーツに、翔太くんの匂いを探すが見つからない。
ヒヤリと冷たいシーツの感触がより〝孤独〟を感じさせた。
どのくらい寝ただろうか。暗い部屋に着信を知らせる光が目に止まった。
手を伸ばしてスマホを確認すると翔太くんからの着信で履歴が埋まっている。
この間は俺だけの事を考えていたのだろうと想像すると悪い気はしない。
キッチンに行き、水を一気に飲み干すと、インターホンの不在ランプが点滅していた。
確認すると21:30から23時台まで履歴が幾度となく入っている。今は日付が変わって0:30だ。
モニターの履歴には荒い画質でも認識できるほどに疲弊しきった翔太くんの姿があった。
まさかまだ?・・・居るわけないだろう・・・気になりエントランスまで降りて見たものの、、、やはり居ない。
踵を返しエレベーターのボタンを押す。ふと外へ目をやると、フードを被った人が小さく蹲っているのが見えた。翔太くんだ、、、慌てて外へ出る。
蓮 🖤 『翔太くん何やってるの!』
泣きながら寝てしまったのか、ボーっとしている。泣き腫らした目を擦っている。
俺を認識すると履いていたサンダルを蹴散らして裸足のまま胸に飛び込んできた。
女の子みたいにワンワン泣きじゃくっている。
蓮 🖤 『はぁー、、、ついておいで』
翔太くんにサンダルを履かせると手首を掴んで家へ連れて行く。
重い足取りの翔太くんを無理やり引っ張るようにして歩いた。
ソファに座るように促す。俺はコーヒーを淹れる為キッチンに立つと、翔太くんの異変にようやく気づいた。
蓮 🖤 『足どうしたの?』
翔太くんは何も答えずソファに腰掛けた。明らかに痛そうに足を引き摺っている。
コーヒを翔太くんに差し出すも微動だにせず涙を流している。
翔太くんの前に跪き涙を拭う。
蓮 🖤 『今日もライブあるんだよ?そんなに目を腫らしちゃダメでしょ?』
更なるスイッチを押したのか、またワンワン泣き出した。
蓮 🖤 『こんな遅くまで外にいたらライブ持たないよ!しっかり休まないと!』
翔太💙 『うう゛うう゛』
蓮 🖤 『足どうしたの?腫れてるよね?ライブ大丈夫?』
翔太💙 『やっぱり帰るぅ・・・』
蓮 🖤 『翔太くん!』
翔太君の腕を掴むが、すごい勢いで振り解いた。
翔太💙 『蓮は俺よりライブが心配なんだ!
・・・心配ご無用だよ!
俺だってちゃんとプロ意識くらいある!
ライブに響くといけないから自宅に帰るよ』
泣きながら言ったって何の説得力もないのに・・・
傷つけたのは俺だ。
言葉で、態度で傷つけた。
俺のくだらない嫉妬のせいで、大事な人を傷つけ疲弊させてしまってる。
冷たくなった翔太くんの手を握る。また、振り払おうとしてきたが、しっかりと掴み、翔太くんの目を見た。
蓮 🖤 『ごめん翔太くん。俺、最低だ。酷い事言った』
翔太💙 『ずっとからかってたんだろう?
心の中では俺のことずっと面白がって、バカにしてたんだ。
男好きになるような馬鹿な奴だって!』
蓮 🖤 『違うよ!そんな事思ってない』
翔太💙 『蓮は俺の事、気持ち悪いって言ったんだ! 男に善がって、俺は気持ち悪い変な奴だ』
〝男同士で気持ち悪りぃ〟苛立って思ってもない事を口走ったせいでこんなにも愛する人を傷つけた。
蓮 🖤 『本心じゃないよ。本当にごめん。イライラして・・・』
翔太💙 『俺は・・・蓮が好きだ! この世界が認めてくれなくても・・・たった一人・・・たったひとりにううう゛』
翔太くんの背中を摩る。こんなにも真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる、色々な葛藤をも蹴散らかして。
翔太君は俺なんかよりずっと強い人間なんだ。誰が何を言おうが気持ちに忠実なんだ。そんな人を俺は傷つけたんだ。
翔太💙 『たった一人に愛されたいだけなんだ・・・ううう゛…..』
蓮 🖤 『翔太くん。聞いて?本当に俺嫉妬しちゃって・・・思ってもいない事、翔太くんに・・・。自分が言われて一番嫌な言葉を、翔太くんに言ってしまった。信じて欲しい本当に愛してるんだよ翔太くんを!こんな俺気持ち悪い?』
翔太くんは首を大きく横に振っている。