テラーノベル
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夜の八時。月呼はくるるを誘って三階の大浴場へと向かった。ここは局員が常駐しているようで、女湯は女性局員が見張っている。前髪についてはくるるも侑加と同じで言えば短くなったことに気づくという感じだった。
大浴場は高級ホテルにあるような落ち着いた色調で、サウナも設置されてあるという。
「監視カメラを設置できないから、女性局員を立たせているんだって。同性どうしで不正なんてしようがないと思うけれどね」
温浴施設内は他の場所よりもくるるの話し声がよく響く。
「裸を見られるのは恥ずかしいけれど、潔白なのに後で不正を疑われるよりはいいかな」
ふたりは髪や体を洗った後、人工温泉に浸かる。くるるは終始野利彦にたいする愚痴をこぼしていた。
女ふたりはおしゃべりをしながらサウナに出たり入ったりで長風呂となる。月呼は湯上がりに有名メーカーのルームウェアを着た。そのかわいいデザインに心をおどらせながら自分の部屋に戻る。侑加は上下黒のスウェットを着ていた。入浴は部屋の浴室で済ませたという。月呼の帰りを待っていたかのようにベッドで横になっている。
「侑加くん、私、お風呂上がりですっぴんだから、顔はあまり見ないでね」
月呼は手で顔を隠しつつ、侑加に近づく。消灯まで早いが、このまま起きていてもやることがないので、ふたりは部屋の明かりを消す。
「おやすみ」
一日が無事に終わろうとしている。月呼は寝られる時に寝るべきだという考えで、瞼を閉じた。でも、神経はつねに体の右半分、となりの侑加にある。
床に就いてから三十分が経とうとした時だった。しんと静まり返った部屋で、ベッドが軋む音がする。侑加は起き上がると、仰向けで寝ている月呼に近づく。ほとんど眠りに落ちかけていた月呼も、その気配にぱっと目を開けた。
「ど、どうしたの?」
暗闇で、侑加の顔がほんやりと見える。日中は月呼に紳士的だった侑加でも、夜になると男性としての本能が目覚めたのかと思った。
コメント
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みぅです🤍🥀 第19話読ませてもらいました。 大浴場でのくるるとの女子トーク、侑加がウェイトレス姿を見たあとの雰囲気もあって、夜のふたりきりの空気がすごくリアルでドキドキしました…! 「顔はあまり見ないでね」っていう月呼の台詞、すっぴん見られる照れと距離感が絶妙で、そこから暗闇で侑加が近づいてくるシーン、心臓が止まるかと思った……。次どうなるのか気になりすぎます🌙
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