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38℃。40を超えてないだけマシだと思うしかない。今日は雲ひとつない快晴だった。
いつものように神坂晴はバスに乗って高校へと向かう。片道1時間ほどのこの道も見慣れて少し苦痛な時間だ。
「よう。明日の小テストのしたか?」
「してねえよ」
学校に着くと佐々木達とたわいもない会話をし、今日も何気ない1日が終わろうとしていた。部活の後、いつもの自販機に4人で向かい、いつものジュースを買おうとしたが、自販機はお金を入れても作動せず、スマホから操作をしても同じだった。
「先生呼ぶか?」
「まあいいだろ。働かせ過ぎは可哀想じゃん」
思っても無さそうだ。
偏差値が近場でトップの秀栄館に通う神坂は、友達と家の方向が違うので、バスに揺られて1人で今日も帰っていた。単語を勉強するのも疲れ、インスタを開こうとしたが、開かない。
ギガ切れを真っ先に疑ったが、まだ7月中旬だし切れたことなんてない。他のアプリも開かなかった。
「夜開くだろ。」
それぐらいにしか思っていなかった。
家に帰ると、美味しそうな夜ご飯が待っていた。しかし、母は困り顔をしている様子だった。新しく買った電子レンジが上手く動かないらしい。壊れるのはさすがに勘弁なようだ。
「今日は上手くいかない日だな。」
そろそろ初の大会が近づいている晴にとって不運は今日のうちに使い果たしておきたい。
あと一週間で夏休みが始まることもあり、疲れは溜まっていたが気分は上々だった。
寝る前にスマホを見たが、インスタはまだ開けなかった。検索やゲームはできた。大規模な通信障害を疑い、調べてみると多くのSNSアプリでこれが起こっていることがわかった。
そして、何やら馬鹿げたようなネットニュースが出てきた。
「老夫婦、自宅で骨を折る怪我、『子供が買ってくれたロボットに殴られた』と語る」
ネットリテラシーはあるつもりだ。記事を見てみると、どうやらそれ以外の原因となるものが見つからず、警察も困惑しているとのこと。
「今日は変な日だな。」明日も朝は早い。響くといけないので10時にはベッドに転がった。