テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#バトル
#死に戻り
「神谷孤月ォォォ!! 勝負だ!!」
訓練室に由香里の声が響く。
孤月は本気で嫌そうな顔をした。
「……なんでそうなる」
「強い奴と戦いたいからだ!!」
「迷惑だ」
即答。
周囲の生徒達は盛り上がっていた。
明。
「キターーー!!」
宣光。
「バトルイベントだァ!!」
碧衣。
「止めなくて大丈夫なの!?」
澪は笑顔。
「青春だねぇ」
零牙。
「絶対違う」
由香里は拳を鳴らす。
ゴォッ!!
炎の魔力が噴き上がった。
「本気でいくぞ!!」
満が小声で呟く。
「由香里ちゃん元気だなぁ……」
孤月。
「帰りたい」
だが。
逃げられなかった。
澪が楽しそうに言う。
「じゃ、模擬戦形式ね!」
「先生まで乗るんですか」
蓮が呆れる。
数分後。
総合科専用闘技場。
円形フィールドを囲むように、
全員が座っていた。
中央には、
由香里と孤月。
由香里は戦闘態勢。
孤月は立ってるだけ。
やる気ゼロ。
「……始めていいか?」
「おう!!」
澪が手を振る。
「はじめー!」
ドンッ!!
由香里が一気に踏み込む。
速い。
強化魔法で身体能力を底上げしている。
「はぁぁぁ!!」
炎を纏った拳。
一直線。
だが——
スカッ。
「え?」
孤月が消えていた。
「後ろ」
低い声。
由香里が反応するより先に、
軽く背中を押される。
ドガッ!!
「うおぉっ!?」
前につんのめる。
会場がざわつく。
「速っ……!」
「見えなかったぞ!?」
由香里はニヤッと笑った。
「いいな!!」
さらに魔力を上げる。
炎が噴き上がった。
「ならこれならどうだァ!!」
拳を地面へ叩き込む。
ドゴォォォォン!!
炎柱が広範囲に炸裂。
碧衣が叫ぶ。
「わっ!?」
しかし。
炎の中から、
孤月が普通に歩いて出てきた。
服すら焦げてない。
「……熱くないの?」
満が聞く。
「防御魔法」
「便利すぎる……」
由香里は楽しそうに笑う。
「最高だなお前!!」
「俺は楽しくない」
温度差がすごい。
次の瞬間。
由香里が本気で踏み込んだ。
「うぉぉぉぉぉ!!」
連続ラッシュ。
拳。
蹴り。
炎。
だが。
孤月は全部避ける。
最小限の動きで。
ヒュン。
ヒュン。
まるで見切っているようだった。
翔琉が目を細める。
「戦い慣れしすぎだろ……」
蓮も頷く。
「ああ」
そして。
由香里が最後の一撃を放つ。
「これでぇぇぇ!!」
炎を纏った全力の拳。
真正面。
孤月は——
避けなかった。
「えっ」
パシッ。
片手で止めた。
静寂。
由香里。
「……は?」
孤月。
「終わりか?」
次の瞬間。
軽く押す。
ドンッ!!
由香里が後方へ吹き飛ぶ。
ギリギリで着地。
会場騒然。
「うそだろ!?」
「パワー負けした!?」
由香里は数秒固まった後、
突然笑い出した。
「ははっ!!」
満。
「え?」
由香里は楽しそうだった。
「やっぱお前強ぇな!!」
孤月。
「……そうか」
その時。
パチパチパチ。
拍手。
入口に、
陽斗と玲奈が立っていた。
陽斗はニヤニヤしている。
「楽しそうなことしてるね〜」
玲奈はため息。
「また勝手に模擬戦を……」
陽斗は孤月を見る。
「ねぇ孤月くん」
「……なんですか」
「今度、生徒会とも遊ばない?」
孤月。
「嫌です」
即答。
陽斗。
「即答!?」
満が笑う。
「お兄ちゃんだし」
だがその時。
陽斗の視線が、
一瞬だけ鋭くなった。
「でもさ」
「君——」
「まだ全然本気出してないよね?」
空気が止まる。
孤月は少しだけ目を細めた。
そして。
「……さあな」
そう呟いた——。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!